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【三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE 1968.12.10】ナゼかキニなる三億円事件モチーフの【漫画感想】ネタバレあり

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「ナゼキニ」ブログ筆者の小幡リアン@nazekiniと申します。

 

ナゼか、いわゆる「三億円事件」をモデルとしたドラマ、漫画、小説があると知るとキニなる私。

 

今回は『三億円事件奇譚 モンタージュSINCE 1968.12.10』を再読いたしましたので、その感想を。

よろしくお願い致します。

三億円事件とは

 

「三億円事件」とは、1968年=昭和43年12月10日に発生した東京芝浦電気の社員のボーナス2億9430万7500円が銀行からの輸送中に奪われた事件のこと。

 

事件発生時に一人のけが人も出さず、奪われたお金にも保険が掛けられており、社員には無事にボーナスが支給されたことなどから、犯人はヒーロー視され、社会現象となりました。

 

また、たくさんの遺留品があったにもかかわらず未解決のまま時効を迎えたので”完全犯罪”と言われ、この事件をモチーフにした作品が数多く存在します。

 

漫画『三億円事件奇譚 モンタージュSINCE 1968.12.10』とは

 

漫画『三億円事件奇譚 モンタージュSINCE 1968.12.10』とは、講談社から発行されている漫画雑誌『週刊ヤングマガジン』にて、2010年から2015年まで連載された作品。

単行本は全19巻↓

三億円事件奇譚 モンタージュ(1) (ヤングマガジンコミックス)

 

作者である渡辺潤は、三億円事件発生のまさにその日がお誕生日だそうです。

 

2016年には「モンタージュ 三億円事件奇譚」のタイトルでドラマ化されているのでご覧になられた方もいらっしゃると思います。

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前編 モンタージュ 三億円事件奇譚

 

 

ドラマ「モンタージュ 三億円事件奇譚」あらすじとキャスト

 

  軍艦島出身の川崎雄大野村周平)は、仕事を求め1967年に上京。同じ軍艦島出身の幼なじみで、兄のように慕う沢田慎之介三浦貴大)が、府中で刑事をしていたため、上京先を府中に決めた。上京初日、雄大は当てにしていた仕事が手違いでなくなってしまい、途方に暮れていたところに、地元の不良、望月竜渋谷謙人)がヤクザともめている場面に遭遇する。持ち前の機転と度胸の良さで、を助けた雄大は、や彼の仲間の響子ギブソンホラン千秋)、横溝保瀬戸利樹)らと親交を深めていく。
1967年の秋、雄大は、が働いているジャズバーで働き始め、店の常連客、女子大生の井上和子門脇麦)と恋に落ちる。彼らは、響子たちからも祝福され、いずれ二人でジャズ喫茶を開くという夢に向かって、彼らは幸せの絶頂にあった。しかし、1968年、突如、雄大和子の幸せを引き裂く悲しい事件が起こる。その事件以来、明るさを失い、心を閉ざしてしまった雄大は、国を変えたいという野心を抱く沢田を介し、響子ギブソンと共に、「三億円事件」の実行犯として荷担していくことに・・・。
一方、悪徳刑事の関口二郎遠藤憲一)によって、殺人の容疑をかけられ指名手配中の鳴海大和福士蒼汰)と小田切未来芳根京子)は、沖縄に向かうフェリーにいた。大和は、父親・鉄也の謎の死、そして三億円事件の真相にたどり着くことができるのか・・・。

引用元https://www.fujitv.co.jp/b_hp/montage/index.html

 

 

漫画『三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE 1968.12.10』あらすじ

 

  1968年12月10日に起きた昭和史最大の未解決事件、三億円事件。大規模な捜査が行われたが、7年後に時効を迎えてしまった‥‥。そして時は流れ現代。1人の少年が瀕死の老刑事に「お前の父親は、三億円事件の犯人だ」と告げられた!! 運命の輪に巻き込まれた少年は、三億円事件の謎を明らかにできるのか!?

https://magazine.yanmaga.jp/c/montage/より引用

 

動く漫画。ホントに動く漫画です。

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無料試し読みはこちら。

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yanmaga.jp

 

父親を三億円事件の犯人だと言われた主人公大和は、三億円事件について興味を持ち、ある日父親の遺品である剣道具の中から、三億円事件で盗まれたものと同じ五百円紙幣を見つけます。その日から未来の両親が姿を消し、大和未来は未来の両親を探すため三億円事件の謎に迫ってゆき、盗まれた三億円を発見します。

しかし、三億円を狙うものや、三億円事件の秘密が漏れるのを阻止するために差し向けられた警官関口に執拗に追われ、日本全国を旅する二人。道中、味方だと思っていた鈴木泰成は三億円とともに消え、二人を助ける人々も危険にさらされる━

果たして二人は小田切夫妻を助け出せるのか?スリルとサスペンスいっぱいのミステリー。

 

三億円事件発生当時の1960年代後半と、2000年代を行ったり来たりする複雑な時間軸もこの作品の特徴です。

 

『三億円事件奇譚 モンタージュSINCE 1968.12.10』ネタバレ感想

 

私が漫画『三億円奇譚 モンタージュSINCE 1968.12.10』を知ったのは、漫画アプリの1冊無料試し読みコーナーでのことだったと思います。

 

今になって思うと、ドラマ化されるので1冊無料コーナーにあったんでしょうね。

ということで、最初に観たのは数年前。

 

今年「悪魔のようなあいつ」を観て三億円事件熱再燃(熱?)、『三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE 1968.12.10』を読み返すに至りました。

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そしてまた、原作があると知ると、じゃない今回は逆、ドラマ化されたと知ると観たくなり、ドラマも視聴いたしましたので、その感想も併せて書いておきます。 

 

『モンタージュ』原作、ドラマ比較ネタバレ感想

 

ドラマ「モンタージュ 三億円事件奇譚」は、前後編に分けられていましたが、それでも原作の内容を描ききるには時間が足りないからなのか、はたまた他の事情なのか、登場人物の名前が原作と同じだけの別の作品だな、と思いました。

 

まず違うのが、主人公の年齢。

原作では主人公鳴海大和の年齢は高校一年生ですが、ドラマでは25歳

 

また大和と共に逃避行を続ける小田切未来は、原作では大和より年上の高校三年生ですが、ドラマでは大和同学年のようです。

 

原作、ドラマ共大和たちを執拗に追う刑事関口は、原作では双子でコインロッカーに捨てられていたという設定。

村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』を思い出す私。

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

 

『コインロッカー・ベイビーズ』についてはこちらに少し。

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ドラマでは関口は双子ではありません。

エンケンさんこと遠藤憲一が演じていらっしゃるので、ちょっとだけエンケンさんの双子役を拝見したかったなあと思ったり。

 

しかし、先日視聴した「ルパンの消息」でも犯人役でご出演されていたし、遠藤憲一ファンとしては嬉しい限り♪

「ルパンの消息」についてはこちら。

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原作関口は警察官でありながら、人の弱みに付け込んで利用し、不要になればあっさり消してしまうというような、とんでもなく恐ろしい人物です。

でも哀しい最期を迎えるので、何ともやりきれなかった。

 

そう、原作は人物描写がかなりヘヴィで、複雑。

 

大和の父親鳴海鉄也は恋人を学生運動の巻き添えで亡くす、というのは原作、ドラマ共同じですが、実は肝心な部分が違っているので、三億円事件への繋がり方が変わってきています。

 

肝心な部分、というのは、鳴海鉄也━恋人を亡くした当時は川崎雄大でしたが、事故に巻き込まれた雄大の恋人は妊娠しており、死の直前に子供を産み落とします。

 

しかし、入籍もしておらず、雄大が未成年ということもあり子供は施設に預けられてしまいます。その子供が小田切未来の父親である小田切武雄

 

最愛の恋人を亡くし、子も奪われ、学生運動家を激しく恨んだ雄大は、沢田慎太郎を誘導してローラー作戦を計画させたと原作では描かれています。

 

ローラー作戦というのは、実際の三億円事件で行われた、事件発生現場付近一帯をしらみつぶしに聞き込みに回った警察の作戦のこと。

 

この時のローラー作戦により過激な学生運動家が一斉に摘発され、それによって学生運動も沈静化を見せたことから、三億円事件は学生運動撲滅のための陰謀という説もあり、漫画『三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE196812.10』はまさにその陰謀説を描いた作品なのであります。

 

ドラマでももちろん陰謀説ではあるのですが、三億円事件の言い出しっぺ(ぺ?)が沢田であること、雄大の恋人は妊娠しておらず、従ってドラマ小田切武雄とは血縁ではない点などが原作と違っています。

 

ちなみに、ドラマでは小田切武雄は”本物”の鳴海鉄也の息子となっていました。このドラマの設定の方が納得がいくなと思ったのはここだけのお話で。

 

話を戻して。

 

警察官から政治家に転身し成功した切れ者の沢田が、そうと気づかず雄大に乗せられた、というのは物語のクライマックスだと思うので、この辺りは変えないでほしかったなあと思いますが、まあ色々あるのでしょう。

 

クライマックス━川崎雄大の強すぎる正義感と恐ろしいまでの頭の良さがわかり、息子の大和がそれを引き継いでいる、そして、強い正義感が犯罪を引き起こすトリガーとなり得る危うさみたいなものを描く━私はそこに作者の意図を感じた気がしました。

 

原作に比べるとドラマはサクッと軽い口当たり。

キャストも劇団ひとりムロツヨシが入っていて、唐沢寿明ですらコント臭が。

 

世界遺産となった軍艦島での撮影は素晴らしいと思いましたが、回想シーンも廃墟の軍艦島ってどうなの?と思いました。

 

そこはCGなりで活気ある当時の軍艦島にできなかったのか知らん。

 

そんなこんなでドラマは漫画ほど没頭できませんでした。

 

漫画は観始めた最後、続きがキニなってページを繰る手を止めるのに苦労しました。

 

あと、漫画は作者が自分と同じ1968年生まれというのにも勝手に親近感を覚えました。

 

その他、原作とドラマの相違点

  1. 泰成の父は原作では変死、ドラマでは轢死。
  2. 原作で泰成は復讐のために鳴海鉄也を探していましたが、ドラマでは協力してもらうために探し出したという設定。
  3. 原作では横溝保は脅迫文を作ったりで三億円事件に関わっていましたが、ドラマでは事件とは無関係。後日、撃たれた小田切竜川崎雄大横溝の自宅へ連れてきたことから事件を知ったという設定。
  4. 原作では関口葉子は女手一つで育てきれなくなった弘美が施設に預けたことになっていますが、ドラマでは川崎雄大による誘拐→施設へという設定。
  5. 原作では川崎雄大は整形して鳴海鉄也となりましたが、ドラマでは整形はしておらず、炭鉱で事故に巻き込まれたどさくさで鳴海鉄也(ドラマ上では実在の人物)を名乗ったという設定。

 

という感じ。

 

まだまだ他にも書ききれない謎とか人間ドラマがあって、盛り沢山の原作です。

全19巻なので、それほど長編でもないのですが、30巻分くらいの重厚感。

 

漫画『三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE196812.10』気力体力整えてから臨んでください(?)

 

※以上全て敬称略

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございます🍀 

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