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「ロング・シーズン長く遠い殺人」とは
「ロング・シーズン長く遠い殺人」とは、2023年4月に中国の騰訊視頻(テンセントビデオ)で配信されたクライムサスペンス。
「バッド・キッズ 隠秘之罪」の監督、辛爽(シン・シュアン)監督作品で本国中国では圧倒的高評価を得た超人気ドラマだそうです。
主演のおひとりは怪優、秦昊(チン・ハオ)またまた特殊メイクと体重操作?で別人と化しています。
秦昊演じる龔彪の相棒?で主人公王響役の范偉(ファン・ウェイ)
元刑事馬徳勝役陳明昊(チェン・ミンハオ)
原題は「漫長的季節」で、原作・脚本于小千(ユー・シアオチェン)とありましたが、原作本は探し当てられませんでした。
キャスティング・ディレクターは「バッド・キッズ 隠秘之罪」「バーニング・アイス無証之罪」に俳優としてもご出演されていた、李俊霆(リー・ジュンティン)
友情出演に、朝陽のお母さん役だった劉琳(リウ・リン)と史彭元(シー・ポンユェン)のお名前も見つけました。
音楽は丁可(ティン・コー)
「ロング・シーズン長く遠い殺人」放送日
「ロング・シーズン長く遠い殺人」は「バッド・キッズ 隠秘之罪」と同じくWOWOWプライムで2023年11月1日(水)から放送開始↓
第11話は1月24日(水)にオンエアされました。アーカイヴ配信中です↓
「ロング・シーズン長く遠い殺人」第12話ネタバレあらすじと感想
水につけた顔をあげる王響(范偉)
1998年、王響宅には王陽(劉奕鉄)の弔いのため、人が集まっています。
気丈に、一種異様なまでに明るく喋る羅美素(林曉傑)ですが王響にだけは
「顔も見たくない」
と話すことさえ拒否します。
そこへ、馬徳勝(陳明昊)が訪ねてきます。
弔意を示す馬課長でしたが、静かに怒りをぶつける王響。
「こんなものは要らん
息子を返してくれ」
警察では横領事件解決の立役者、李群(唐曽)を”李課長”と盛り立て騒いでいます。そこへ不機嫌な馬課長が現れ、李群に傳衛軍(蔣奇明)の調書を見せろと怒鳴りつけます。局長のところへも怒鳴り込む馬課長でしたが、被害者遺族を殴ったことをはじめ責め立てられます。
「制服を着る資格はない
失礼します」
馬課長は、制服を局長の前で脱ぎ、敬礼してその場を後にします。
場面変わって、弔問客を見送りに出た王響が自宅に戻ると羅美素の姿がありません。羅美素の名を叫びながら家じゅうを探す王響が、鍵のかかった浴室の窓を破り中へ入って目にしたのは、毛糸で縊死した羅美素でした。
2016年。
斎場で麗茹(王佳佳)を待つ王響。
「最後は私がきれいに」
龔彪(秦昊)に話しかけながら死化粧を施す麗茹
骨灰盒を選ぶ王響。
龔彪の遺品にあった資格証明書の写真を骨灰盒用に切り抜きながら
「お前の言うとおり
俺も楽しく過ごすよ」
とつぶやきます。
病院。
寝ていた馬徳勝は自体が呑み込めず騒ぎだします。
そこへ様子を見に来た王響が馬徳勝をなだめ、
「散髪でもしてやろう」
と言います。
馬徳勝は軽い脳梗塞で入院しましたが、後遺症も残らないとのこと。しかし、記憶の混濁があるように見えます。
王響に散髪してもらい、鏡をのぞいていた馬徳勝は何かひらめいたらしく
「謎が解けた」
と警察へ。
警察では、胡雪露(=小露)の意識が回復し、加害者が女性であることを証言したことからも、沈墨が殷紅(王藝荻)になりすましていたのでは、という方向で会議が進められていました。
ひき逃げ事故を起こした偽造ナンバータクシーは、沈棟梁(侯岩松)が運転していたことも判明、沈墨を狙って轢いたことから、傳衛軍の遺した手紙から沈墨の生存を知り計画的に沈墨を殺そうとしたのではないか、なぜ養父が養女を殺そうとしたのか━
そこへ馬徳勝がやってきます。
馬徳勝も沈墨は殷紅に成り代わっていたという推理を話します。動機が分からない李局長(=李群)が
「2人は養父子関係だ
なぜ互いに殺意を?」
と馬徳勝に尋ねます。そして沈棟梁が沈墨を虐待していたこと、養母の趙静(王紅梅)がそれを黙認していたこと、沈棟梁に復讐を果たした沈墨が次に狙うのはその趙静であろうことを話します。
李局長があなたの勝ちですというと、手を差し伸べる馬徳勝。
李局長と握手をしながら
「朱局長、これで事件の謎はとけましたね」
と泣いているような笑っているような声をあげる馬徳勝。
樺林人民病院入院棟。
沈墨(張静初)が趙静のもとを訪れます。怯える趙静に
「怖い?
私と弟も怖かった
今のあなたと同じ
無力だったから
何か言ってほしかった
あれから沈墨という人間は死んだ
安心して
死ねば何も怖くなくなるわ」
と声をかけながら点滴を差し替え、騒ぎが起きたのを確認し、外へ出る沈墨。
しかし、警察が向かってくるのを目にし、目の前に滑り込んできたタクシーに乗り込みます。タクシーの運転手は王響━
王響は道すがら沈墨に語り掛けます。
脳裏に焼き付いて離れなかった”奴”の後ろ姿、まさかそれが沈墨だったとは━
「王陽、片をつけてやる」
タクシーを小涼河の橋脚へ向け暴走させる王響。
そして沈墨は、王陽の死の真相を語り始めます。
王陽に帰ろうと言われ絶望した沈墨は川に飛び込みました。王陽は沈墨を助けに川に飛び込み、沈墨を岸へ押し上げると力尽きたのでした。
その事実に驚き思わず後ろを見てしまった王響、振り返ると目の前に砂山があり、タクシーは宙に舞い横転。
引火したタクシーから這い出し、王陽にもらった大切なセーターを使ってまでも火を消し止めようとし、ついには沈墨を助け出す王響。
サイレンの音、沈墨が自供したというテロップ━
橋の上を力なく歩く王響。
空を見上げた後、胸をおさえ苦しそうにうずくまり、倒れてしまいます。雲をみつめる王響━
1998年、樺鋼敷地内の線路に横たわり、汽車を待つ王響。
汽笛が聞こえ、いよいよ汽車が迫ったその時、赤ん坊の声を耳にします。
すんでのところで線路から起き上がり、声の方向へ。抱き上げると微笑む赤ん坊に、思わず微笑み返す王響は、空から聞こえる声にハッとします。
「父さん」
気づくと王北(史彭元)が王響を抱えていました。
すぐ救急車が来ると北が声をかけると、大事な息子がいるからこれくらいでは死なないと答えます。
「今年の秋はやけに長い
まるで人生みたいだ」
つぶやいた王響の頬に白いものが当たり、雪がちらちらと舞い始めます━
第4章
「前を向け 振り返るな」
2017年。
王響の家では王北の入学準備の真っ最中、巧雲(劉琳)も手伝いに来ています。巧雲が王陽の詩集をみつけ、それを2人に読み聞かせる王響。
タクシーにのり駅に向かう一行でしたが、王響は車を止めさせ、トウモロコシ畑の端で用を足します。ふと、何かに気づき歩き出した王響は線路を見つけます。そこを、過去の王響が乗った汽車が通りかかりかかります。
「前を向け
振り返るな」
自分に声をかける王響。
それに答えるかのように汽笛が響きます。
エンディング姜育恒「再回首」
「ロング・シーズン長く遠い殺人」第12話感想
やられましたね、泣きました。
おじさんたち、幸せにならんのかい、とか、特に龔彪しぬとかありえない、とか、馬課長は一命をとりとめたものの、認知症のような状態になってしまっているし(小李はどうなるの?)王響は復讐を果たせないし、なにこのヒドイ話!
と怒りかけましたが、王響の”過去からの雪”微笑みのシーンでチャラです。泣かされました。
またエンディングがまさに”劇終”という感じの曲で妙な達成感が得られたことも敗因?のひとつです。
「バッド・キッズ 隠秘之罪」でもそうでしたが、どうも辛爽監督の選曲が特に私のツボに入るようで、今回も見事にハマりました。
「バッド・キッズ 隠秘之罪」にドハマりした私は、どうしても「バッド・キッズ 隠秘之罪」と見比べてしまい、最初の頃は思ったより面白くないとも感じましたが、最終回で黙らされました、という感じ。
それにしても秦昊演じる人物の運の悪さというか、報われなさと言ったら。
秦昊いじめかと思うくらい(笑)
「バッド・キッズ 隠秘之罪」
でも印象の悪かった東昇に同情してしまったし、今回もぐうたらで調子よくてどうしようもないと思っていた彪子が人を包む明るさを持っていたこととか、なのにまた(東昇と同じく)しぬとは。
前回も書きましたが、傳衛軍も優しい子で、獄中でどうして亡くなってしまったのかついにはっきりしなかったのがモヤモヤしました。沈墨が殷紅をころしてしまったことを聞いた後と思われるシーンで、殷紅にプレゼントし損なった髪飾りを握りしめて叫んでいたのが、ああやっぱり殷紅のことが好きだったんだなと辛くなりました。名演技。
傳衛軍を演じた蔣奇明↓
幸せになってほしい人物が早死にしたり、死にたいほどに辛くても生きていかなければならなかったり。
王響の
「振り返るな、前を向け」
は50代後半の私に刺さりました。
王北が養子になった経緯が冷静になると「んなワケあるかい」とツッコミを入れてしまうポイントですが、あの流れでくると、王陽の生まれ変わり?王陽からのプレゼント?とか自然に見えてしまって、ドラマのマジックを感じました。
唯一つリアルなツッコミ、第3章まで1話でやって、最終回で第4章って区切る必要があったのか?
この最終話の初回放送日、私の住む地域では大雪となり、なんと停電。
インターネットにもつながらないという事態となり、沈墨告白シーンのあたりまで観たところでお預け状態となったことも書いておきます。
録画してあったものも雪の影響で画像が乱れ、とても観られたものではなくなっており、オンデマンドで配信されていてよかったと心底思いました。
またこのスタッフ、チームの作品を観たいので、WOWOWさん一つよろしくお願いいたします。
※以上全て敬称略
最後までお読み戴き
ありがとうございました🍀
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