「ロング・シーズン長く遠い殺人」とは
「ロング・シーズン長く遠い殺人」とは、2023年4月に中国の騰訊視頻(テンセントビデオ)で配信されたクライムサスペンス。
「バッド・キッズ 隠秘之罪」の監督、辛爽(シン・シュアン)監督作品で本国中国では圧倒的高評価を得た超人気ドラマだそうです。
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主演のおひとりは怪優、秦昊(チン・ハオ)またまた特殊メイクと体重操作?で別人と化しています。
原題は「漫長的季節」で、原作・脚本于小千(ユー・シアオチェン)とありましたが、原作本は探し当てられませんでした。
キャスティング・ディレクターは「バッド・キッズ 隠秘之罪」「バーニング・アイス無証之罪」に俳優としてもご出演されていた、李俊霆(リー・ジュンティン)
友情出演に、朝陽のお母さん役だった劉琳(リウ・リン)と史彭元(シー・ポンユェン)のお名前も見つけました。
音楽は丁可(ティン・コー)
「ロング・シーズン長く遠い殺人」第5話ネタバレあらすじ
今回のオープニング曲↓オリジナルサウンドトラックより丁可「Forget-me-not」
物語の舞台は1997年の樺林鋼鉄本社工場。
自転車に乗っていた王響(范偉)は、猛スピードで走り去るトラックとぶつかりそうになり、積み荷に不審を抱きます。
巧雲(劉琳)にトラックの書類や積み荷について尋ねますが、書類に不備はないし、積み荷も空だと言われます。王響は巧雲の様子を見てますます疑いを深めます。
王響が積み荷を確認しに行くとトラック隊の劉全力が止めに付いてきました。果たして横流しの品を見つけた王響に全力は見逃してくれと懇願します。突っぱねた王響に
「刑課長(楊一威)と話してみてくれ」
と声をかける全力たち。
王響が荷のことを刑課長に尋ねると、工場が廃棄した機器だ置いといても邪魔になるだけと悪びれもせず横流しを認めます。さらに、
「恨まれたくなければ目をつぶれ」
と、タバコを王響に渡します。
横流しには、樺鋼の社員以外のものも関わっていました。
脅される王響でしたが、屈せず、さらに刑課長に渡されたタバコを返し、”むやみに弁舌を振るわず控え目”な口調で横流しに目をつぶることを拒否します。
その様子を自宅で妻羅美素(林曉傑)に自慢げに話す王響でしたが羅美素は刑三児
に恨まれるかも、それより息子が樺鋼に入社できるよう話をつけてくれと言い出します。
息子王陽(劉奕鉄)に進学させたい王響が話をしようと王陽の部屋に行きますが、頭ごなしの王響と反抗的な王陽は言い争いになってしまい、王陽に甘い羅美素は2人に割って入ります。樺鋼に就職するか、高校の浪人クラスで勉強するかの2択だと言い聞かせる羅美素に対し、苦虫を嚙み潰したような表情の王陽。
アルバイト先のクラブ維多利亞に着く早々沈墨(李庚希)に声をかける王陽。母羅美素の作った豚の甘酢あんを沈墨に差し入れます。食堂は閉まっているだろうから持ち帰ってと言うと、
「今一緒に食べて」
と沈墨が言い、2人は一緒に食べます。
工場の煙突に立ち上る炎を
「花火に見えるだろ?」
と沈墨に見せる王陽。今度、鉄道を案内する、明日はどう?と沈墨を誘うと、予定はない、と答える沈墨。
翌日、出かけることを母に告げると、外出は夜だけじゃないのねと咎められ、夜はバイトに出かけていることを打ち明ける王陽。
沈墨を鉄道に案内しながら、詩人になりたいという夢を打ち明けた王陽。
「聞かせて」
と言われ、詩を読むと
「もう立派な詩人だよ」
と微笑む沈墨に照れる王陽。
沈墨が学校に戻ると両親が来ていました。
食事をしながら、リウマチが辛いので病院の近くに住むことにしたと言う母。
「お前のそばにもいてやれるしな」
と言う父の声に身を固くする沈墨。
2人に部屋を用意し、案内した沈墨。
「両親を亡くし、伯父さんが…」
「いなければ施設に入ってた
分かってるから」
どうやら沈墨は養子のようです。
王響の家。
ドアを叩くかのような不審な音に目覚めた王響と羅美素。
王陽がまだ起きているのかと部屋をのぞきますが、そこに王陽の姿はありません。
再び玄関で音がします。
BGM丁可「Intention and sound」
ドアを開け外に出る王響。
そこには誰の姿もなく、代わりにドアノブにねずみがぶら下げられていました。
「刑三児
クソ野郎め」
つぶやく王響。
場面は変わり、紅燕飯店。
以前、沈墨を怒鳴りつけた海さんをいためつけた若者2人が食事をしていると、数人の若者が入店、バイクを盗んだと2人に殴りかかります。
しかし殴られた若者が厨房から包丁を持ち出し、あっという間に形勢逆転され、若者に向かい、バイクはくれてやる、と言いますが、首を横に振り数枚の紙幣を相手の腹の上に置きます。もう一人の若者が、
「兄貴の名前は傳衛軍(蔣奇明)だ
覚えたか?」
と倒されたままの若者に言います。
覚えた、覚えたよと返すのを聞き、満足げに笑みを浮かべ立ち去る2人。
場面はクラブ維多利亞へ。
王陽は沈墨を映画に誘いますが、家の用事があって無理かもと答えた沈墨にまたも食い下がり、約束を取り付けます。
一方、沈墨の住む女子寮には沈墨の伯父さんが来ています。
沈墨と同室の女の子に声をかけ、沈墨の帰りはいつも遅いのか、彼氏はいるのか、などと尋ねます。
場面がまた変わり、紅翼飯店にいた若者の1人が長寿麺を作っています。
「誕生日おめでとう」
と身振り手振りで伝える傳衛軍の隣には沈墨がいます。
そして、傳衛軍はポケベルを沈墨にプレゼントしますが、沈墨は高いんでしょう、返品してと傳衛軍に返そうとします。
「ビデオ館を開業したら、俺は隋(王嘯宇)店主だ
兄貴は傳店主だよな
そして君は沈店主
ポケベルくらいは持ってないと」
傳衛軍は自分もポケベルを取り出し、持ってれば互いに連絡が取りあえると、手話で伝えると、沈墨も納得した様子で、誕生日の願い事をしながらろうそくに息を吹きかけます。
「皆が長生きできますように」
炎は消えませんでした。
翌日、伯父さんを訪ねる沈墨。
昨夜女子寮に伯父さんが来ていたのは、誕生日プレゼントを沈墨に渡すためでした。
「着てみろ」
渋々トイレで着替える沈墨。その隙に沈墨のバッグを探るように手に取る伯父さん。
BGM丁可「In the midst of silence」
着替えた沈墨に似合ってる、お人形みたいだなと声をかける伯父。
「俺に従ってればいい
バイトは辞めろ」
返事を促され、わかったと答えた沈墨は逃げるように走り去ります。
その姿を見送りながら、プレゼントした服のタグの匂いを嗅ぐ伯父。
その傍ら、ベッドで眠っていたと思われた伯母さんがそっと目を開けます。
場面はクラブ維多利亞。
王陽が沈墨とのデートのためにバイトを中抜けさせてほしいと頼み込んでいます。なんとか許可を取り飛び出した王陽を王響が捕まえます。
2人は言い争い、王響は
「もうどこへも出かけるな」
と王陽にきつく言います。
映画館では沈墨が一人で「タイタニック」を観ていました。
上映中、とうとう現れなかった王陽。
映画館を出た沈墨の眼前に居たのは伯父さんでした━
エンディング曲↓Lívia Rév「12 variations on "Ah, vous dirai-je maman" in C Major,K.265:variation XII.Allegro」
「ロング・シーズン長く遠い殺人」第5話感想
今回、やっと話が動いたという感じでしたが、それでもまだまだ伏線?登場人物が増えただけで、繋がりははっきりしない部分が多く。
また、今回は開始して20分くらいして沈墨の姿が映るまでは1998年なのか、1997年なのかわかりませんでした。
しかし、今回は1997年の話だけでしたので、落ち着いて視聴できました。
ミステリー好きとしては、いろいろ推理するのが楽しい部分ではありますが、かなーりもどかしい展開。
それにしても、王陽はナゼ映画館に来なかったのか?
王響に引き留められたから?あんなに熱心に誘っていたのに、親父くらい振り切って駆け付けそうなものなのに、という疑問が残りました。
墨墨(=沈墨。劇中でそう呼ばれていたので)の誕生日のろうそくの火が消せなかったのは象徴的に思えたのですが、どうなんだろう?
というのも、
これまでのところバラバラ事件の被害者は墨墨と思い込んで観ておりましたが、どうも指の関節が多いようには見えません。
しかし、”伯父さん”の墨墨に対する気色悪~ゥい!態度から、おそらく墨墨は伯父さんに虐待されていたであろうことは容易に想像できます。
墨墨に彼氏が出来たと思って独占欲や嫉妬から伯父さんが手を下しちゃった?それだとなんだか現代=2016年の事件との繋がりが弱いような気もしなくもありません(はっきりせえよ)
墨墨の伯父さんは確かに気持ち悪いし、虐待するような極悪人ですが、指に切り傷をつけていた墨墨を「気をつけろ」と責めている様子は、美しい自分のお人形に傷一つつくのも許せない、という感じ、墨墨をバラバラにするとは思えません。
ということで、話が動いたようでよく考えるとわからなくなってきた今回。
そして凶暴極まりない傳衛軍が墨墨とつながっていたなんて!
今回の話の流れ(沈墨が養子であるらしい)から、墨墨の兄弟ともとれます。
お金に苦労している様子の墨墨に比べ羽振りのいい傳衛軍は、これまたよからぬことをして稼いでいるのではないかとも思わせますしねえ。わかりませんが。
とにかく、傳衛軍は顔が、目がコワい。怖すぎる。
「ロング・シーズン長く遠い殺人」第5回は、伯父さんがキモすぎるのと傳衛軍が怖すぎる話でした。(え?)
最後に、
劇中で
「糊口をしのぐためさ」
という、今では滅多に日常で使われなくなった言葉が出てきたのはうれしい驚きでした。
※以上全て敬称略
最後までお読み戴き
ありがとうございました🍀
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