【2025年8月4日公開2025年10月加筆】
ナゼキニエンタメ!をご覧戴き有難う存じます。
自称映画好き、筆者の小幡リアン@nazekiniと申します。
今回は映画「パリタクシー」の感想です。
よろしくお願いいたします。
「パリタクシー」とは
「パリタクシー」は2022年にフランスで公開された映画作品。日本での公開は2023年4月、松竹から↓
原題は「Une belle course」
フランス語に興味のある私、美しき道かな?などと考えておりましたが、手持ちの仏和辞典をひいてみたら、”course”には「走ること」「競争、レース」「おつかい」などの意味がありました。
ナゼ「パリタクシー」?とも思いますが、なるほどタイトル通りパリの街をタクシーで走行するし、「TAXi」という大ヒット映画もあるし、「パリ、テキサス」という名画もあるし覚えやすい。
でももちろんそれだけではないのです。
「パリタクシー」ネタバレあらすじと感想
ひとことで言うと、THE映画という感想。
いいお話でした。
私がフランス語の響きが好きということもあり、そして主演のお一人マドことマドレーヌを演じたリーヌ・ルノーが歌手だそうで、そのせいもあるのか音楽がこれまた好い。
ちょっとニーノ・ロータっぽい雰囲気が好い。
リーヌ・ルノーの歌唱↓
amazonには「コメディ」とあり、公式サイトにも「笑って泣いて」とありましたが、笑うより泣くというか、胸が締め付けられること多く、これはコメディではないだろう、amazonさん、またしてもヤラレタ↓コメディと思って観たら……というグチが書いてあります(笑)
タクシー運転手のシャルルが人生に行き詰っている感丸出しの不満顔に対し、マドレーヌは実年齢より若く見え、美しい。
しかし、その人生は今ドン詰まりのシャルルよりも過酷と言えるものでした。
初恋の相手とは戦争で離ればなれ、しかもその彼の子を身ごもり手紙を出し続けていたというのにやっと届いた返事には彼がすでに妻子持ちであることが書かれ。
再び愛する人と結ばれたものの、その相手はDV夫で、マドレーヌの息子マチューを私生児呼ばわり、挙句の果てに手を挙げたので、ブチ切れたマドはくそったれ亭主のムスコを焼いてしまい、禁固刑を食らいます。
1950年代、女性の地位はまだまだ低く━
13年経ち、母と息子の元へ戻ると今度は最愛の息子マチューは戦争カメラマンになっていて入れ替わりで旅立つと言います。母親が起こした事件のせいで刑務所のような人生だったという言葉を残し戦地で亡くなってしまったマチュー。
世の中の総てを恨み、睡眠薬をひと瓶飲んだ、と語るマド。
もうここまでで悲しい、悲しすぎる。
それでも彼女は明るくたくましく美しい、チャーミングな女性。
「自殺の才能もないみたい、92歳まで生きたわ」
うーん、こういうセリフがコメディ?
そんなマド、いろいろあって観念し老人ホームに入所することにし、自宅からそこまでの道のり=タクシー運転手シャルルとの出会い。
シャルルはマドを送り届けた後に、約束通り家族を連れてマドに会いに行きますが、すでにこの世の人ではなくなっていた、というお話。
しかし、現代のおとぎ話というべき展開、マドの財産を相続することになったシャルルは抱えていた様々な問題をクリアし、文字通りのハッピーエンドを迎えます。
更年期にやさしいドラマでした。
よかった、感動した。
私の感想ノートから
「人生の最期には彼女のようにすべてが一瞬だったと言えるようになりたい」
日本版リメイク「TOKYOタクシー」
少し前、にわかに当ブログのこの記事にアクセスが増えて、あれ?と思っていましたが、2025年11月に「パリタクシー」の日本版が公開されるそうで↓
しかも、監督山田洋次だって、号泣必至ですよ!
これは観ないと!と思いましたとさ。
倍賞千恵子もキムタクも、オリジナル版のイメージを損なわず。
私は好きなキャスティングだな、と思いました。
マドレーヌ、日本版ではすみれさん、お若いころを演じられるのは蒼井優だそうで。
オリジナルでお若いころのマドをご演じになられたのはこちら↓アリス・イザーズ
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
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