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今回は、2023年春ドラマ「風間公親 教場0」の原作小説を読みましたので、その感想です。
よろしくお願いいたします。
ドラマ「風間公親 教場0」とは
ドラマ「風間公親 教場0」とは、2023年4月からフジテレビ系列、月9枠で放送中のクライムミステリー。
2020年、2021年にスペシャルドラマとして放送された「教場」「教場Ⅱ」での警察学校教官風間公親の、警察学校赴任前の物語。
風間公親を演じるのはキムタクこと、木村拓哉↓
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「教場」「教場Ⅱ」「風間公親 教場0」共に、長岡弘樹による人気小説『教場』シリーズを原作としています↓
音楽は佐藤直紀↓
小説『教場0』とは
小説『教場0 刑事指導官風間公親』とは、小学館から発行されている雑誌『STORY BOX』(STORY BOX | 雑誌 | 小学館)誌上に2014年から2017年の間に掲載された連作短編に加筆修正し、2017年に単行本化したもの↓
教場シリーズとしては第3作ですが、時系列としては『教場』『教場Ⅱ』以前の物語が描かれています。
短編全6話が収録されています。
以下カッコ内は『STORY BOX』掲載号。
- 第一話「仮面の軌跡」(2014年6月号)
- 第二話「三枚の画廊の絵」(2017年3月号)
- 第三話「ブロンズの墓穴」(「百度を踏む男」改題2016年9月号)
- 第四話「第四の終章」(「二重舞台」改題2016年6月号)
- 第五話「指輪のレクイエム」(「償い」改題2016年12月号)
- 第六話「毒のある骸」(2017年6月号)
小説『教場X』とは
小説『教場X 刑事指導官風間公親』とは、『STORY BOX』誌上に2020年から2021年に掲載された連作短編、『教場0 刑事指導官風間公親』の続編にあたるシリーズ第5作。単行本化は2021年↓
こちらも全6話収録。
以下カッコ内は『STORY BOX』掲載号。
- 第一話「硝薬の裁き」(「復讐処方箋」改題2020年7月号)
- 第二話「妄信の果て」(2020年9月号)
- 第三話「橋上の残影」(「屋上の残影」改題2020年4月号)
- 第四話「孤独の胎衣」(2021年1月号)
- 第五話「闇中の白霧」(「闇の中の白霧」改題2020年11月号)
- 第六話「仏罰の報い」(2021年3月号)
「教場0」ドラマと原作の照合
小説『教場0』『教場X』合わせて全12話、ドラマでの放送回に照らし合わせると以下の通り。
ドラマ第1話「硝薬の裁き」
『教場0』仮面の軌跡
『教場X』硝薬の裁き
第2話「ブロンズの墓穴」
『教場0』ブロンズの墓穴
第3話「毒のある骸」
『教場0』毒のある骸
第4話「孤独の胎衣」
『教場X』孤独の胎衣
第5話「妄信の果て」
『教場X』妄信の果て
第6話「三枚の画廊の絵」
『教場0』三枚の画廊の絵
第7話「第四の終章」
『教場0』第四の終章
第8話「闇中の白霧」
『教場X』闇中の白霧
第9話「橋上の残影」
『教場X』橋上の残影
第10話「指輪のレクイエム」
『教場0』指輪のレクイエム
第11話「仏罰の報い」
『教場X』仏罰の報い
・新人刑事(原作登場順)『教場0』
瓜原潤史(うりはらじゅんじ)演:赤楚衛二
折本直哉(おりもとなおや)
荒木達真(あらきたつま)
早坂すみれ(はやさかすみれ)
大里翔子(おおさとしょうこ)
平優羽子(たいらゆうこ)
『教場X』
鐘羅路子(かねらみちこ)演:白石麻衣
下津木崇人
中込兼児(なかごめけんじ)演:染谷将太
隼田聖子(はやたせいこ)演:新垣結衣
紙谷朋浩
平優羽子
教場、ドラマ・原作ネタバレ感想
ドラマ、原作ともサックリ楽しみましたが、原作を先に読んでしまっているとドラマの楽しみは激減するなという感想。
そして上記の照合でもお気づきかと存じますが、登場人物に関し、ドラマでは、風間を狙った(はず)の十崎に刺され亡くなってしまった新人刑事、遠野章宏は原作『教場0』にも『教場X』にも出てきません。
ドラマではあんなに重要なのに。
私自身が教場シリーズを『0』と『X』の2作品しか読んでいないので、他のシリーズに遠野にあたるような登場人物があるかもしれませんが、少なくともその2作品中、指導に当たっていた新人刑事が亡くなるということは描かれておりません。
私自身は今の時点ではドラマオリジナルキャラクターと考えています。
ドラマオリジナルといえば、新人刑事のエピソードもドラマオリジナル。
私はこのエピソード部分はドラマだから仕方ないか、という目で観ておりました。正直、つまらない部分でした、現実味もなかったし。
ただ、そのつまらない部分(あ)で、応援している俳優さんである渋谷謙人の演技を観ることができたので、むむむ(笑)
ついでに、インターネットで騒がれた、坂口憲二が演じられた刑事さんに当たる人物も見当たりませんよ、原作には。
意味ありげに登場したのに。
話を戻して。
風間が十崎に刺されたのは、『教場0』第6話。
新人刑事”平優羽子”と事件解決後に飲みに行った時に起こりましたが、平刑事は無事。
続く『教場X』第6話に平刑事は再登場し、そこで再び十崎とのニアミスが描かれています。
が
原作では十崎は捕まっておりません。
むしろその十崎が捕まっていない、つまりまだ風間を狙うであろうことを理由に、風間が警察学校の教官になるという運びで『教場X』は結ばれています。
ドラマ最終回のような十崎の意味深なつぶやきなどは一切ございません。
また、原作では十崎は”十崎”でしかなかったハズですが(読み落としがなければ(笑)
ドラマでは、十崎ハルでしたね。
おまけに、
「妹はどこだ?━」
で、続き?!のスペシャルドラマが放送予定↓
ここまではドラマのお話でしたが、原作についてはまず、新人刑事の名前が凝りすぎ。
ほとんど新人刑事の名前は覚えられなかった私、読んでいて、
「この〇〇って名前の人、だれ?」
と思うと、肝心の主役だったり。
十崎も、じゅうざきだと思い込んでおりましたから。
余談ですが、私の学生時代のあだ名は感じ博士でした。
もとい
原作は、ドラマと同じく(逆ですが)倒叙型ミステリー。
倒叙型についてはこちらにも↓
つまり読者側が犯人も手口もわかっている状態で、風間と新人刑事が推理するのを追って読むワケですが、風間の推理が早すぎる。
そしてこれまた新人刑事のひらめきも唐突なこと多し。
短編とはいえ、解決が早すぎる。
まあ、だからスルスル読めたんですけどね。
THE推理小説というよりは、隙間時間や寝る前にサクッと読むにはもってこい、という感じ。
トリックに関しても、意外性はあるけれど、意外過ぎて現実味が感じられず、風間の描かれている風貌とは異なり、サクッと軽ぅい娯楽小説だと思いました。
読みやすかったし、『0』と『X』以外の教場シリーズも是非読みたいと思っております。
あと、作者さんであられる、長岡弘樹ご自身の人間観察に興味が津々しましたね↓
さて、ドラマに話を戻しますが、私はキムタクファンというのではありませんが、改めてキムタクの底力に感心しました(感心?上から?)
私はドラマで教場シリーズを知りましたが、ドラマ放送後の原作が、特に風間公親の人物像がキムタク演じる風間に引っ張られている感を受けました。
『0』や『X』の表紙絵の雰囲気もありますが、内面のあたたかみというか、人間風間公親というものの描かれ方が、ドラマの風間像と重なる━いや、同一人物だから当たり前💦
ではありますが、ミステリードラマでありながら、謎解きよりも人間像に惹かれる作品となった、と感じました。
ポワロやコロンボ、古畑任三郎のように。
一説には古畑任三郎をキムタクが引き継ぐ?というような話もあったとか、なかったとか(どっちやねん)
そのことを思うと、古畑任三郎的な立ち位置(立ち位置って何?)での、キムタク風間公親なのかなとも思いました。
義眼メイク、あれはご本人に負担はないんですかね?
いったいどうなってるんだ?なリアルさですが、大変じゃあなければ、今後もドラマを続けてほしいです。
なんだそれ。
※以上全て敬称略
最後までお読み戴き、
ありがとうございました🍀
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