当ブログをご覧いただき有難う存じます。
自称ドラマ好き、#猫目宝石 です。
当ブログは、ドラマファンであるがゆえに、細かいところまでナゼかキニなってしまう私のツッコミブログです。
ドラマを愛するがゆえのツッコミであるということを悪しからずご了承ください。
今回は「彼女たちの犯罪」原作との比較感想です。
よろしくお願いいたします。
ドラマ「彼女たちの犯罪」5話までのざっくりあらすじ
2023年夏ドラマ「彼女たちの犯罪」は、読売テレビ系列で毎週木曜よる11:59から放送中↓
静岡県沖で遺体が上がったというニュースが流れるところから物語は始まります。
結婚に焦る繭美(深川麻衣)は、再会した大学時代の先輩神野医師(毎熊克哉)とそうとは知らず不倫関係に陥ります。
その後神野の妻の存在を知り、どういう人物なのか、好奇心から神野の妻由香里
(前田敦子)に近づく繭美でしたが、由香里からは
「夫と別れないでほしい」
という奇妙な申し出をされ困惑しながらも、いつしか自分の方が神野にふさわしいのではないかと思うようになります。
由香里は由香里で、神野家の奴隷か召使のような生活に嫌気がさし、近所に住む玉名翠(さとうほなみ)との
「浮気調査をして高額な慰謝料をとって離婚すればいい」
という世間話に心を強く動かされていました。
自由を求める由香里と結婚を望む繭美に、
「人生の席替えをすればいいだけだ」
と、ある提案をする理子(石井杏奈)
理子は刑事で、繭美や神野の大学の後輩でもあります。
そこへ、一見無関係と思える玉名翠が現れ、由香里の偽装自殺に協力すると言い出します。それは、翠自身が命を絶つという意味。
ドラマ第5話では、由香里を静岡の旅館に滞在させ、翠を連れた理子が合流。
繭美は神野が静岡の由香里の元へ向かうよう細工を施します。
神野と由香里が静岡で会っている姿が防犯カメラに記録されるようにし、その後、由香里の着ていた衣服に着替えた翠が海に身を投げる━そして、遺体発見のニュースが流れ、繭美、由香里、理子の三人が計画の成功に祝杯をあげるところまで放送されました。
横関大による同名小説を原作としています↓
原作があると知ると読みたくなる私、さっそく読みました。
小説『彼女たちの犯罪』あらすじとネタバレ&ツッコミ感想
ドラマと原作の相違点、設定は時代や登場人物の勤務先、年齢などが違っていますが、大筋では第5話までのところは大きな違いはありません。
結婚に焦る繭美、自由になりたい由香里、身寄りがなく生きることに消極的な翠、大学時代と打って変わって化粧っ気もなく刑事として働く理子という4人の女性がからむ事件。
小説ならではの「仕込み」として、繭美の後輩でA子という人物が出てきますが、ミステリー好きであれば、少し読み進めるとこれが理子のことであるとすぐにわかると思います。
ドラマ第2話を視聴後、原作を読む前に”神野医師に復讐心めいたものを抱く幼馴染と妻と愛人とが結託して、神野医師を妻を消し去った極悪人に仕立て上げる、のではないかと。”と書きましたが↓ほとんどその通り物語は進行します。
しかし、原作では神野の幼馴染の翠は確かに神野に対し強い嫌悪感を抱いてはいましたが、それで由香里の味方につく、という程度。
ですので、はじめ私は翠も神野を陥れたい一心で当てつけのように自殺したと思っておりましたが、そうではありませんでした。
ドラマの方が私の読みに近かった(笑)
また、ドラマではまだ出てきていませんが、由香里の宿泊先の静岡の旅館のシーンが原作では重要です。
そして、理子よりも、ドラマの野間口徹演じる上原刑事の出番?の方が多いです。
理子がA子であることや神野を恨んでいることは早い段階で判明しますが、理子の出番?がすくないゆえに、理子が犯罪計画を立てるに至った大きな理由はクライマックスまで明かされません。伏線はありますが(笑)
ここで重要なネタバレ
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先述したように、翠は生きることに消極的ではありましたが、自殺したのではありませんでした。
ドラマでは
「人生の席替え」
を提案した理子でしたが、原作では翠の持つ財産に魅力を感じた理子が、翠の財産を由香里と山分けしようと持ち掛けた、財産目当ての殺人計画。
翠は理子の手にかかって亡き者にされました。
事件の真相を突き止めた上原刑事に詰め寄られた理子は、何も話しません、といいます。
理子は病で余命いくばくもなく、残すことになる子供━大学時代、神野に妊娠させられた子供に翠の財産を渡そうとしたので、死ぬまで罪を認めないというワケです。
繭美はと言えば、神野に由香里殺しの疑いがかかり、離れた時間を過ごす中で醒めてゆき、あろうことか友達の彼氏と付き合い始めていたのでした。
そして、死んだはずの由香里がのこのこと静岡のドライブイン(生前最後に神野と食事をしたとされる場所)に現れ、また警察の手も迫っている、というエンディング。
翠の財産のことはタナボタだったかもしれませんが、理子が14年もかけて神野への復讐のチャンスをうかがっていたことを思うと、ものすごい執念だし、繭美は知らされてなかったとはいえ、妻のいる神野や友達の彼氏を寝盗るあたり、自己中心的にもほどがある。
何より、死んだことになっている由香里がオムライスが食べたいとのこのこドライブインに現れるなんてコントなの?
しかも、はじめから”結婚願望が強い34歳”に違和感を覚えていて、時代設定は古いんだろうと予想していましたが、一番最後に平成元年ということが種明かしのように書かれていたことに呆然。
文中にスマホはおろか、携帯も出てこないので、平成元年というオチに意外性はなく、どんでん返しにはなりえないな、と💦
内容的にも松本清張ばりの古臭さだったので、書かれたのが昭和なのかと思ったら、2019年の書下ろし作品ということで、ますますえええ?!
ナゼこの作品を今?と腑に落ちないことばかりでした。
ただ、『彼女たちの犯罪』は平成の時代だからこそ成り立つ物語だとは思うので、現代の設定になっているドラマが原作と同じように進むワケがない。
ドラマではまた別の事件の気配がしておりますし。
内容はさておき、この作品もかなり読みやすく、読み飛ばしはしませんでしたが、ほんの少し表現に首をかしげる部分━例えるなら頭痛が痛い、的な━があり、編集者さんはなにをやっとんだ?と思いました。最近の人気作品には実に多いです。
『ルパンの娘』は未読で、この『彼女たちの犯罪』が初の横関大作品となりましたが、ファンの方々によるとたいてい原作の方が面白いとのことだったので、他の作品も読んでみたいと思っております。
※以上全て敬称略
最後までお読みくださり
ありがとうございます。
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