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#ナゼキニ ブログ筆者の猫目宝石 (id:nazekini)と申します。
2022年、令和4年の今年は松本清張没後30年だそうで↓
松本清張原作とうたった映像化作品を多数観るチャンスがありましたので、この機会に未読の原作本と合わせて楽しもうと、
私も清張沼にハマってみる?キャンペーン(キャンペーン?)
を始めました。
今回は『疑惑』について。
よろしくお願い致します。
『疑惑』とは
『疑惑』とは、1982年=昭和57年に文藝春秋から発刊された、松本清張による推理小説↓
1982年に映画化。
1992年=平成4年、2003年、2009年、2012年、2019年と過去に5回ドラマ化されてもいます。
映画、ドラマについてはこちらの記事にも少し↓
今回も映像化作品を視聴してからの原作読了となりました。
『疑惑』あらすじ
鬼塚球磨子(おにづかくまこ)は、資産家である夫白河の運転する車で海に転落。夫は死亡、前科四犯の球磨子による保険金殺人とされ逮捕されます。
新聞記者の秋谷は「北陸一の毒婦」「オニクマ」と書きたて、警察も、世論もこぞって球磨子による犯行を疑わないムードに。
裁判の途中から球磨子の国選弁護人となった佐原は、車内に残された遺留品から白河の無理心中に球磨子が巻き込まれたことを突き止めます。
球磨子の過去も取材していた秋谷は、球磨子がヤクザを引き連れて自分に仕返しに来るのではないかと恐怖する━
映画、ドラマ共、球磨子と弁護人を中心に描かれていますが、小説『疑惑』は、新聞記者秋谷に焦点が当てられています。
小説『疑惑』感想
私は、映画「疑惑」をアマプラ(Prime Video)で観まして↓2022年11月現在プライム特典(Amazonプライム会員は追加料金不要で視聴可能)で配信中です。
1992年と2009年のドラマ作品を視聴しました。
その後、原作を読んだワケですが、原作の方がわかりやすいと感じました。
また、発表時のタイトルは『疑惑』ではなく『昇る足音』だったそうですが、原作については『昇る足音』の方がピッタリなのに、どうして改題したのかとも思いました。
これは推測ですが、早々に映画化の話が決まっての改題だったのではないかと。映画のタイトルが「昇る足音」ではとんちんかんですからね。飽く迄推測です。
さてナゼ『昇る足音』の方がピッタリかというと、原作のラストが”昇る足音”で終わっているのです。
ネタバレですが、小説『疑惑』では、球磨子のことをさんざん書き立てた新聞記者秋谷が、球磨子に仕返しをされるのではないかと怯え、恐怖のあまりついには球磨子の無罪を立証しようとする弁護士佐原の事務所に鉄パイプを持って向かっていく━
いかにも清張ミステリーという感じ。
ドラマ「疑惑」との比較
先述したように、原作と映像化作品では中心となる人物が違うため、ほとんど別物、一粒で二度おいしい作品だと思います。
映像作品も小説も楽しめました。
ただ、映像化作品で弁護人が女性という設定が多いのは、1982年の映画作品の影響かなとも思いました。それだけ岩下志麻と桃井かおりの共演はゴージャスでした↓
とはいえ、私が観たドラマ作品は2作品とも弁護人佐原は男性。
1992年のドラマでの佐原役は小林稔侍で、この方は1982年の映画作品では検事役でご出演されていたというのも面白いところ。
もう一つ2009年版は佐原役を田村正和が演じておられました。この時の球磨子 役が沢口靖子で、球磨子が悲劇のヒロインとして描かれていました。そして球磨子の夫白河役として小林稔侍がまたまたご登場。また、佐原に引き継ぐ球磨子の最初の弁護人役で津川雅彦がご出演されていましたが、津川雅彦は2019年版の「疑惑」にもご出演、それが遺作となりました。
原作との相違点は、主となる人物の違いと、球磨子が無罪となって秋谷は臍を噛む程度で終わったことくらいで、謎解き部分は同じ。
ちなみに、『疑惑』は1974年=昭和49年に実際に起きた「別府3億円保険金殺人事件」に着想を得た作品だそうです。
※以上全て敬称略
最後までお読みいただき、
ありがとうございました🍀
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