【2018年9月29日公開2019年11月更新】
当ブログにお運び戴き、誠にありがとうございます✨
読書は専ら通勤電車、「ナゼキニ」ブログ筆者の猫目宝石@nazekiniと申します。
先日の通勤電車で読んだのは『二銭銅貨』
今回はこの『二銭銅貨』の読書感想です。よろしくお願いいたします。
『二銭銅貨』とは
『二銭銅貨』とは、大正12年(1923年)に発表された江戸川乱歩の短編推理小説。また、江戸川乱歩のデビュー作品でもあります。
江戸川乱歩は、少年探偵団シリーズ、”明智小五郎””怪人二十面相”といったキャラクターを生み出したことでも有名な、大正から昭和にかけて活躍した小説家。
自らも大層な推理小説マニアで、ペンネームである”江戸川乱歩”は、『黒猫』などの作品で有名なアメリカの小説家エドガー・アラン・ポーに由来していることは周知の事実。
この『二銭銅貨』には、いかにも「ポーファン」な部分が随所に垣間見られ、江戸川乱歩の推理小説オタクっぷりが伝わってくる作品です。
『二銭銅貨』あらすじ
『二銭銅貨』の舞台は、窮乏した二人の青年━”松村武”と”私”━が住む六畳一間。
「あの泥坊が羨しい」
というところから物語は始まります。
「上」「中」「下」の三部構成で、まず「私」によって「あの泥坊」の事件がまず語られます。
その泥坊事件とは、さる大きな電気工場の一万に近い職工の給金泥坊の話で、犯人は捕まったけれども肝心の盗まれた現金5万円の行方が知れず、困った工場の支配人が、盗まれたお金を見つけた者へ一割の懸賞金を出すと発表した、という世間の注目をも集めている事件のことで、この説明部分が「上」となっています。
続く「中」の部分では、私と松村武がいかに困窮しているかといったことや、私と松村の関係性、そしてある日の松村の奇妙な様子が語られ始めます。
そして「下」。奇妙な行動をとっていた松村がついにその理由を明かし始めます。
あくる朝、風呂敷包みを背負って私の枕頭に現れた松村は、私の置いた二銭銅貨をきっかけに謎解きをし、泥坊事件の行方不明の5万円をまんまとせしめたという━
『二銭銅貨』感想
感想の前に、ナゼこの本を読んだのかと申しますれば、、、
私が毎週録画しているテレビ番組「偉人たちの健康診断」で、江戸川乱歩をとりあげておりまして↓
『二銭銅貨』が江戸川乱歩のデビュー作と、その番組を観て初めて知ったという(笑)
実は私、江戸川乱歩作品は、映像化されたものやマンガでは目にしていたものの、本は読んだことがないということに気づきまして←気づいてなかったんかい✋
二年ほど前、これまたテレビで知った東京千駄木の団子坂がモデルという”D坂”が描かれた『D坂の殺人事件』を読んだのが、初乱歩でございました。
↑D坂~含む短編集
難解なんじゃあないかと思って読み始めた江戸川乱歩作品でしたが、これが予想に反してとっても読みやすく、もっと江戸川乱歩読んでみたいなと思うようになり。
そんな矢先で知った、乱歩デビュー作『二銭銅貨』だったので、是非とも読んでみたいとなりまして、手に取った次第です。
さて、そんな『二銭銅貨』
ひとくってやがる(あら、お下品)
という感想でございました。
や、推理小説あるある的オチではあるのですがやっぱり面白く、発表当時はさぞ盛り上がっただろうなあと妄想。
怪奇趣味的なイメージが強い乱歩ですが、この作品は暗号トリック一本の直球どストレート、ポーの『黄金虫』やドイル『踊る人形』が引き合いに出されていたりして、ちょっと海外のミステリーを読んだかのような気持ちにもなりました。
暗号文に使われているのは、南無阿弥陀仏ですが……
どこが海外やねん✋
『二銭銅貨』は青空文庫にもありますよ
私はKindleで読みましたが、『二銭銅貨』は青空文庫にもあります↓
青空文庫とはざっくりいうとインターネット上の図書館です。詳しくはこちら↓
もちろんKindleでも無料でした↓
Wikipediaによると、『二銭銅貨』に出てくる暗号トリックの中に江戸川乱歩の誤解による誤りがあり、のちに改訂版が出たものの、岩波文庫版は初めに発表された誤ったモノが載っているとのことで、こう聞くと岩波文庫版も読んでみたいな、とか♪
タイトルにも書きましたが、一時間もあれば読めちゃう短編の上、内容もサックリしているので(サックリ?)移動時間に読むのにはピッタリでした(^^)
『D坂の殺人事件』も青空文庫で
先述しました『D坂の殺人事件』も青空文庫にありました↓
私はKindleで(もうええ)『D坂の殺人事件』のほか『二癈人』など十作品が収録↓
ちなみに、この団子坂殺人事件(って言うとなんともしまりませんなw)、明智小五郎初登場作品でもあります。
こちらはいかにも江戸川乱歩な世界。
乱歩にしては軽めではありますがw
※以上全て敬称略
最後までご覧くださり、
ありがとうございました🍀
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