【2019年2月25日公開2021年8月更新】
当ブログをご覧いただき有難う存じます。
「趣味どきっ!」好き、#猫目宝石 です。
2019年2月に放送された「趣味どきっ!」火曜放送シリーズ【人と暮らしと、台所】全8回。
今回は、第一回放送の有元葉子の回を、ご本人様の御言葉と、番組BGMを出来得る限り忠実に文章に起こしてみました。
よろしくお願いいたします。
- はじめに~『ためない暮らし』
- 【人と暮らしと、台所】第一回「流れるように、よどみなく」
- 見せたくないものはかごに収納
- 棚の中に”空きスペース”を作っておく
- ツールスタンド
- いよいよお料理
- 麻生久美子が見つけた一品
- ぬか床の手入れ
- 毎日の台所仕事の締めくくりにすること
- 段取りと流れのおかげでできた「余裕のひととき」
はじめに~『ためない暮らし』
以前「こんまり」の記事を書きました。
そこにもチラッと書きましたが、片づけにハマって、図書館の家政学コーナーにある本を読みまくっていた時に、有元葉子のご著書『ためない暮らし』と巡り合いまして。
それから、数冊拝読。
『ためない暮らし』も『使いきる』もタイトルに心を鷲掴みされて(笑)
そんなワケで「趣味どきっ!」に有元葉子がご出演と知って、楽しみに録画予約しておりました。
【人と暮らしと、台所】第一回「流れるように、よどみなく」
「これから訪ねるのは、憧れの、あの人の台所」
というナレーションで番組が始まります。声の主は、俳優さんの麻生久美子。
「”ちょっとの準備さえしておけば、台所仕事は流れるようにスムーズに。そして料理はおいしくなる”そうおっしゃるのは……。」
BGM(「Cabaret」手嶌葵)が流れ、有元葉子が映し出されます。
「料理研究家の有元葉子さん」
「有元さんにとって、台所とは?」
「うまく回ってる楽しい場所。うまく回ってると、生活そのものが循環してくように私には思えるんですけれども」
【人と暮らしと、台所】タイトルが出て、場面が変わります。
(といっても、はじめに映ってた有元葉子の台所ですけどね(笑)
「おじゃましまーす」
(カメラには全く映りませんが(笑)麻生久美子が訪問した体で、有元邸の中へ進んでゆきます)
入ってすぐに台所。
しゅんしゅんとリズミカルに、優しい音楽のような圧力鍋の音がBGMのピアノ曲に馴染んでいます。
見せたくないものはかごに収納
BGM「Small Zoo」Tayu Tou
グレージュの厚みのある棚板に、ずらり並んだかご。
同じくグレージュのタイル張りに、大きなシンクのキッチン。
「そこには、カラフルなプラスチック製のものや、こまごまとした道具は全く見当たりません」
麻生久美子のナレーション。
ここで、有元葉子が棚板上のかごを取り出します。中には、なべ掴みや布巾、ゴミを入れるネットなどが入っています。
かごの上部を目線より上に置くことで、中のものが見えないようにしていることも、すっきり見えるポイント。
かごの大きさは大小さまざま。産地も国内外さまざまだそうですが、違和感なく全体の調和がとれている。
有元葉子は次のように語られます。
「自然のものだからだと思います。で、その生活のために作ってる。使おうと思って作ってる。飾るためじゃないんですよ。何かに使おうと思って作ってるものだから、全く違和感ないんじゃないかな」
軽くてやわらかだけどしっかりしている稲ワラのかご。
最初は青竹だったという頑丈な根曲がり竹のかご。
イタリアでリコッタチーズを作る時に使われていたという水草のかご。
また、有元葉子のイタリアのご邸宅にもかごがあり、十四世紀に建てられたというそのお宅にしっくりなじんでいますと、写真(撮影 竹内章雄)が画面に映しだされます。
棚の中に”空きスペース”を作っておく
有元葉子は、調理台の下の収納スペースに、”空き”を作っておられます。そこに、その日に使う食器などを準備しておくのだとか。
「空いてる場所があると、冷蔵庫の中もそうだけど、すごく、こう、流れが良くなるんですね。で、全部つまっちゃってると、何か入れたくても入らない。そこでこう滞っちゃうんですけれども」
※趣味どきっ!火曜放送シリーズでアンコール放送された「暮らしの道具の使い方」第八回にご出演の引田かおりも、収納に空きスペースを作っているとお話されていました。
その中で、そうすることで、出先で欲しくなった食器なども置く場所の心配がないので諦めずに手に入れられると仰り、そうして、使わなくなったものはお譲りしたりして、”ものを循環”なさってました。
「空きがあれば入る」というのはよく言われることで、「空き(=余裕)を持つ」ということはモノや時間をうまく循環させるコツなんだろうなあというのが、私がこの言葉を聞いた感想です。
ツールスタンド
たくさんの菜箸やヘラ。
これらを引き出しに入れようと思うと、引き出しそのものがたくさん必要になり、また、取り出すときに引っかかるというようなトラブルもあれば、引き出しを掃除するときに、中の物を全て出さなくてはいけないので大変。
そういったことから、掃除が楽で、スペースをとらない、分類できるツールスタンドをご愛用。 (↓有元葉子監修)

ラバーゼ (la base) ステンレス ツールスタンド 中 LB-015
- 出版社/メーカー: ラバーゼ (la base)
- 発売日: 2014/03/01
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細かい道具や食材をまとめて収納してあるパントリーに、菜箸やヘラを立てたツールスタンドも収納されています。必要な時に取り出す、結果、空きスペースも出来るということです。
スパイスなどが並んだパントリーの写真(撮影 中本浩平)が画面に大写しになります。
いよいよお料理
有元葉子がお櫃を水に浸して、ここで、冒頭の圧力鍋の中身が公開。中から出てきたのは、小さな陶器のお鍋。黒米入り玄米ごはんが炊かれていました。
BGM「典子、お茶を習う」世武裕子
「圧力鍋と陶器の小鍋の二重構造にすることで、玄米がふっくらもちもちに炊けるんですって」
と麻生久美子の声。
炊き立てをお櫃に移し、さらしをかぶせ蓋をしておきます。
メニューは、
- 野菜たっぷり鮭缶のかす汁
- 春菊の胡麻和え
- 黒米入り玄米ごはん
(かす汁に入れる)小松菜を良く洗って泥を落とし、根元に十字の切込みを入れて、ざるをかませたボウルに入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩置く。
そうすると葉がピンとして元気になり、茹でた時の甘味も増すそうです。
青菜は少しずつゆでる
たっぷりのお湯が沸いた大きなお鍋に、小松菜を二、三本ずつ入れてゆく有元葉子。
「少しずつ茹でたほうが早いです。時間かかると思うでしょうけど逆です、こっちの方が早いのね。で、野菜は短時間で茹でたほうがおいしいですので、時間かかっちゃうとその分不味くなっちゃいますね」
こう仰りながら、茹でたそばからざるにあげてゆきます。一袋分の小松菜が3分で茹で上がり。
茹でたら、すぐに水けを絞り、ざるにあげておきます。
調理する前に水やざるを準備
春菊の茹でる時間は、2、30秒。
茹でたら、調理する前に準備しておいた水につけ、ざるにあげます。
「その時その時でその、後のこと考えないでやってるといろんなものが後手後手になっちゃうのでね、逆算して考えるといいんじゃないかなと思うんですね。後ろの方で何をするのかっていうことを考えて前もって準備しておけばいいですね」
鮭缶のかす汁
BGM「grassland」ゴンチチ
鮭缶を使う理由
鮭缶の汁を鍋に入れます。
「全部、缶汁から何から全部使えるので、ムダが無いでしょ」
水に昆布をつけるだけの昆布だし
昆布と水が入っているおしゃれなガラスジャーが映されます。これは、ガラスジャーに昆布と水を入れて一晩冷蔵庫に入れておいたもの。
この昆布だしを、鮭缶の汁を入れた鍋に加えます。
固めに茹でて(5分程度)冷凍したじゃがいも
「じゃがいもはもうすでに茹でて冷凍してあるものですね。一個ずつバラバラになっているので、すごく楽に使えます。じゃがいものお料理をしたときに、ついでにやっておく。”ついで”の仕事ですよね」
具材を入れゆっくり火を入れる
鍋に、じゃがいも、にんじん、しいたけを入れ、強火にせず、静かに、ゆっくりあたためます。
「芯からあっためるためには、ゆっくりあっためた方がいい」
「根菜類はゆっくり、青菜はサッと。緩急が大事」
と麻生久美子。
あたたまったら、缶に残しておいた鮭と酒粕、みそを入れて再びあたたまったら出来上がり。鮭缶の代わりに鯖缶でもOKだそう。
春菊のごま和え
鍋に入れた根菜類を煮ている間に、春菊のごま和えにとりかかりました。
ごまをすって、塩を少し加え、春菊を和えます。
「(ごまが)まつわりついてきます。全部にくっついたら出来上がりです」
残った野菜
「しいたけの残りは、有元さん、干しちゃいました。うまみが増すんですって」
「ちょっと干すだけでそういう風にどんどん(料理の)幅が広がってくので、なんかやっとくといいですよね、はい」
茹でた小松菜の残りは小分けにして冷凍。
こうしてお料理は、準備のおかげでざっと15分ほどで出来ました。
麻生久美子が見つけた一品
BGM 「My Favorite Things」羊毛とおはな
使い始めてからおよそ50年が経つという、イタリア サルデーニャ島のかご。
日本製の圧力鍋は30年。
「有元さんの台所には何十年も使っているものがたくさんあります」
ふきんの入った大きなかごが2つ出てきます。
中には、麻のふきんと、綿・綿麻混紡のふきん。
使い古しのリネンのエプロンを切って布巾にしたものも入っています。
アンティークのリネン、何百年も経ってると思われ、
「きっとは最初はすごくごわごわだったかなあと思うんですけれど。今、私のところで使い易くなってる。そんな感じよね」
楽しそうな有元葉子の笑顔。
「どんどん使ってどんどん洗う。使えば使うほどだから柔らかくなって、すごーく使い易くなる。とっても大事なものになるんですね。ちょっと穴が開くくらいが、ホントはいいんです」
「古い道具を上手に使い回す有元さん。死んでしまっている道具やスペースはどこにもありません。それが、台所をよどみなく、美しく保つことにつながっていると感じました」
という、麻生久美子の言葉がこのコーナーの締めくくりです。
ぬか床の手入れ
BGM「おはよう」田淵夏海「僕らは奇跡でできている」オリジナルサウンドトラック
有元流 ぬか床のアクセント
さんしょうの実、とうがらし、にんにく、昆布のだし殻など。
麻生久美子
「しっかりかき混ぜ、ぬか床の状態を整えたら、容器をすみずみまで拭き上げます。毎日、こんなに丁寧に手入れしているんですね」
有元葉子
「1分かかってないでしょ。で、これ、毎日やってればいいだけのことなので。1週間分まとめてやるってんじゃなくて、毎日少しずつ、ですよね」
毎日の台所仕事の締めくくりにすること
竹のかごからレジ袋を取り出し、シンクの排水口にあるゴミ受けのゴミを始末します。
手でシンクを洗い、乾いたふきんで拭き上げます。シンクの周りだけでなく、シンクの中も拭き上げます。
「ここに、一切洗剤使ってないでしょ。乾いたふきんでぬれたものを拭くだけなんですね。これも、この水切りも。放っとくと水のあとがつくでしょ。なので、まだ濡れてるうちにバーッと拭いちゃえば、30秒ぐらいで出来ちゃいます」
麻生久美子
「これは明日への準備。こうしておけば、汚れは残らず、朝すぐに料理が作れるし、気持ちもいいと有元さんはいいます」
段取りと流れのおかげでできた「余裕のひととき」
BGM「お茶のお稽古「三日月」」世武裕子
スパークリングワインをグラスに注ぐ有元葉子。
「ま、リセットみたいな、そんな感じですね。忙しいからこそ、こういう時間が必要なのかなって思いますけど。何にも考えないでその中に、こう、自分が消えちゃうみたいな。消えってってしまうみたいな、そういう時間がすごく好きなので、家の中ではこれがその時間かなと思う」
グラスをかたむけ微笑まれます。
BGM「キッチン」星野源
台所とは?
「毎日使って、ちゃんと手入れをして、で、そしてまた使う、それの繰り返しだと思います。で、やっぱりそこがうまく回ってると、生活そのものがうまく循環してくように、私には思えるんですけれども」
「ほとんどの人生を台所で過ごしたのかなって、そんな風に思っています。だから、私にとってはとても大事な場所ですね、はい」
有元葉子の笑顔でエンディング。
※以上全て敬称略
最後までお読み戴き、
ありがとうございました🍀
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