ナゼキニエンタメ!をご覧戴き有難う存じます。
自称映画好き、筆者の小幡リアン@nazekiniと申します。
今回は映画「ミッドナイトスワン」の感想です。
よろしくお願いいたします。
「ミッドナイトスワン」とは
「ミッドナイトスワン」とは、2020年に公開された日本の映画作品。
草彅剛主演、トランスジェンダー役だったことも話題を集めた作品です。
監督は内田英治、私は不勉強でこの作品で初めて知った監督さんでした。
世にもびっくり、15分25秒もの予告動画↓
「ミッドナイトスワン」」あらすじとキャスト
音声でも配信しております↓
故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブで働くトランスジェンダーの凪沙(草彅剛)。ある日、育児放棄にあっていた親戚の娘・一果(服部樹咲)を養育費目当てに預かることになる。叔父だと思い訪ねてきた一果は凪沙の姿を見て戸惑い、子供嫌いの凪沙も一果への接し方に困惑するが、同居生活を送るうち、孤独だった二人は次第に、互いにとって唯一無二の存在になっていく。「母になりたい」という想いを抱き始めた凪沙は、一果のバレリーナとしての才能を知り、一果のために生きようとするが…
キャストは他に、一果の母役に水川あさみ
凪沙の勤務先のクラブのママ役に田口トモロヲ
一果の通う教室のバレエ講師役に真飛聖
印象深かったのは一果の友人りん役の上野鈴華
りんの母親役に佐藤江梨子
最近、そこかしこでお見掛けする俳優さん平山祐介がりんの父親役でした。
「ミッドナイトスワン」ネタバレ感想
ナゼキニブラックに記事を挙げたのですが、その時に、描きたかったことが沢山あるのを上映時間に合わせて削ったのかなと思うくらい、ハイスピードで物語が展開していった感想だったので、もう一度観てみることにいたしました。今回は2回観たあとの感想です。
物語はメイクをしてチュチュに着替えるダンサーたちの楽屋風景から始まります。
やはり新宿にあったニューハーフショーパブ「黒鳥の湖」を連想してしまいますが、オマージュでしょうか。
「黒鳥の湖」へは行ったことがナイ私ですが、昭和50年代の”腐女子”という言葉もないころの腐女子でしたので、当時からそのお名前は存じ上げておりました。40年の歴史あるショーパブでしたが、コロナ禍の影響か、2020年に休業に入りそのままのようで、事実上の閉店となってしまったようです。
映画はこの冒頭シーンが、のちの一果との係わりやラストシーンへの伏線になっているんだなあと思いました。
このシーンの凪沙のセリフ
「小学生の時学校で海行ったときにね
なんでアタシ男子の海パンはいてんだろって
なんで女子のスクール水着じゃないのって泣いちゃって
それ以来行ってないの
だから行ってみたいわ」
凪沙の従妹の娘である一果は、問題をおこしてばかり。
見かねた凪沙の母が凪沙に電話をかけてきて相談します。母の電話に”息子”を演じる凪沙。
東京の学校にしばらく通わせることになり、凪沙と一果の共同生活が始まります。
学校のシーンで、凪沙のことをからかわれた一果が、その生徒に椅子を投げつけていたんですが、CGだったんでしょうか、真に迫っていて怪我がなかったか心配になりました。
凪沙がドレッサーの前に座り、シートパックを顔に付けて『らんま1/2』2巻の単行本を観ているシーンが印象に残りました。
凪沙が病院で注射(筋肉注射)を受けるシーンが2回ほどありましたが、2回目のシーンはずいぶん具合が悪そう、帰宅後薬を飲んで泣き、わたし気持ち悪い?と言ったりしていたので、あの注射はホルモン剤だったのでしょうか?説明はありませんでした。
一果は学校の帰り道にバレエ教室を見つけ、通うようになります。シューズを貸してくれたりんとは同じ学校とわかり、自宅に誘われ、お古のレオタードを譲ってくれますが、一果はお金がないから続けられないと言います。撮影のアルバイトに誘うりん。
「個撮」個人撮影は絶対やめときなと一果に言ったりんでしたが、数日後、個撮のアルバイトをするように一果にすすめます。プロを目指して頑張っているりんでしたが、怪我で思うに任せて動けないところへ、バレエの先生は一果のレッスンに心血を注いでいる様子、個撮はいじわる?そして撮影者に椅子を投げつけるという事件を起こした一果。
ところで、ダンスシーンは別人に見える一果ちゃん。素晴らしいです。
りんと一果のシーンで印象深かったシーン。
屋上でたばこをふかしているりんは、踊る一果をみつめています。
りんの側に来て座る一果。
「ね一果変わったね」
「なにが」
「すっごい話すようんなった」
「なってないよ」
「なったよ
あとねー 明るくなった」
「なってないよ」
「なったよ
あと すごいかわいくなった」
「なってない」
「なったよ
あと バレエが上手になってる」
「なってない」
「なったよ」
この、なった、なってないのやりとりが、思春期のころを思い出させます。
足底腱膜断裂でバレエ教室をやめるりん。
バレエ講師から「おかあさん」と呼ばれてうれしい表情の凪沙
凪沙は、一果のバレエにお金がかかるため、男の恰好で働き始めます。りんのこともあり、複雑な一果は凪沙に当たります。
コンクールに出場する一果。優勝候補とささやかれていますが、2曲目の時に踊れなくなります。
踊れなくなった一果をステージへ上って抱きしめたのは、母早織でした。そのまま広島へ戻る一果。やがて性転換手術を済ませた凪沙が迎えに来ます。
ネタバレですが、1曲目はステージの一果と両親とパーティーに参加したりんがそれぞれに同じ曲を踊っています。曲のラスト、りんは屋上から”飛び立ち”ます。一果が2曲目の時に踊れなかったのは、りんの死を知ったため?客席にりんの姿を認める描き方がされており、一果は霊が見える?それとも、コンクール開始直前にかかってきたりんからの電話のせい?報せを受けた様子もなく、わかりにくい部分でした。
その後、広島でバレエの練習を再開し、海外への留学も決まった一果が凪沙を訪ねると、凪沙は血のにじんだ紙おむつをはめた格好で横たわっており、ほとんど目も見えない状態で衰弱しきっていました。
凪沙の頼みで海辺に来た2人。
海外留学の報告をした一果は、様子のおかしい凪沙に何度も病院へ行こうと訴えます。
凪沙に懇願され、泣きながら浜辺で踊り始める一果。
「ああ、きれい」
涙を流し、うつむく凪沙を振り向いた一果はまた振り返り海に入ってゆきます。
海外のバレエコンクール会場。
凪沙の前で、初めてのコンクールで踊ることのできなかった、オデットのバリエーションを踊る一果でエンディング。
2回目も1回目と同じ、やはりハイスピードだなと感じました。
なので、インターネット上の感想では号泣必至と言われているラストではなくどころか、
「え?おわり?」
という感想でした。ちょっと老年世代は置いていかれるスピード感。余韻に浸る隙がない。
大ヒットロングラン上映されたので、もう少しそれぞれを細かく、第2、第3と作ってもいいのではないかと思いました。素人の考えはこんなものです。
「ミッドナイトスワン」は小説版もあるようです↓
映画では描かれていなかったことが書いてあるそうなので、映画の補足のような作品なのでしょうか。
特にお若い方々には観てほしいなと思い、そういう意味では草彅剛主演はそれだけで大成功!素晴らしい存在感でした。
私は元々草彅剛は好きで公開当時から観たいと思っていたのですが、機会を逃し早や数年、ようやくの視聴でした。
水川あさみも板についたヤンキーかあちゃんぶりで好かったし、「老害の人」でもご活躍の根岸季衣が凪沙の母親役と言うのも好かった。
あと、やはりりん役の俳優さん上野鈴華が好かったですね。サトエリこと佐藤江梨子の金持ちマダァムぶりもはまってましたし、2回観てよかった。世間が「追いスワン」する理由もなんとなくわかる気がしました。
この作品は、何度か観るとより楽しめます。
※以上全て敬称略
最後までお読みいただき、
ありがとうございます。
関連記事はこちら↓