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【事故物件 歪んだ家】恐怖よりも考え過ぎでげっそり痩せる思いの哲学的ホラー【韓国映画感想】

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自称映画好き、筆者の小幡リアン@nazekiniと申します。

 

今回は韓国映画「事故物件」の感想です。

よろしくお願いいたします。

「事故物件 歪んだ家」とは

 

「事故物件 歪んだ家」とは、2022年に韓国で公開された映画作品。

原題は뒤틀린 집

事故物件 歪んだ家 [DVD]

 

”韓国のスティーヴン・キングと呼ばれる作家チョン・ゴンウ(전건우)の同タイトルの小説を原作とした韓国スマッシュヒット”とある割には情報が少なく、インターネットを見て回った推測ですが、原作小説の発売は2021年のようです。原作小説の翻訳版も見当たりませんでした。

 

監督のカン・ドンホンは「箪笥」にスタッフとして参加していたそうです。

「箪笥」Amazonプライムビデオで見放題中↓

 

主演は「チェイサー」での悲劇のヒロイン、キム・ミジンを演じたソ・ヨンヒ(서영희)

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「チェイサー」Amazonプライムビデオで見放題中↓ただし、ホラーより怖いかも

チェイサー(字幕版)

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  • キム・ユンソク
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キーマンならぬキーガール?チェ・ヒウ役を演じたキム・ボミン(김시아)

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ソ・ヨンヒ演じるミョンヘの夫チェ・ヒョンミン役は「犯罪都市」シリーズでもご活躍キム・ミンジェ(김민재)

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「犯罪都市」も見放題↓

犯罪都市 THE ROUNDUP

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「事故物件 歪んだ家」ネタバレあらすじ

 

  心の病を患う妻ミョンヘを、夫であるアーティストのヒョンミンは心配。子どもたちを含む一家は、静かな郊外にある一軒家へ引っ越すことに。だがミョンヘが恐ろしい悪夢を見たり、養子である娘ヒウが倒れて入院するなど、不審な出来事が次々と起きる。また、家には鍵がかかって入れない部屋があった。ヒョンミンはこの家が安かった理由を不動産業者に尋ねるが、業者は何か隠している様子だ。実は過去にこの家では惨劇が起きていた。

引用元https://www.wowow.co.jp/detail/186879/-/01

 

youtu.be

 

引用したあらすじではヒョンミンはアーティストとなっていますが、小説家か挿絵画家のようです。

 

物語は夫婦が引っ越すことについて言い争っている場面から始まります。

子供たちを連れて出かける夫、家に残った妻。

大きな窓をあけ、身を乗り出した妻ミョンヘの手を、幼い娘が「おかあさん」と握りしめ、首を横に振ります。娘を抱きかかえたミョンヘは次の瞬間窓から娘を放り投げます。

 

場面変わって夫ヒョンミンの出先、葬儀場の駐車場。

車中にいたヒウミョンヘからの着信を見て、ヒョンミンにスマホを持っていきます。途中、キム・グジュという人物から名刺を受け取ります。

「中で見たろ

あいつらは君や家族を傷つける

助けがいるときは連絡を」

 

一家は郊外の一軒家に引っ越します。

そこには、外から鍵をかけられた倉庫があり、中から物音がしたり、誰かがいる気配がしたり。ヒウも姉妹と思しき少女達や赤い服を着た女を見てしまいます。

ある日、とうとう不安に耐えかねたミョンヘは倉庫の鍵を壊して中へ入ります。

 

天井から不気味な首つり人形が落ちてきて、不思議な声に促されるまま、奇妙な面をつけたミョンヘは豹変、上機嫌で着飾り、料理を作りだし、その様子を見たヒョンミンミョンヘが元気になったと一瞬喜びますが、深夜寝室に姿のないミョンヘを探しに行って倉庫で誰かと会話をしているミョンヘを見てしまいます。

 

倉庫のことを「調べて連絡する」と言った不動産屋へ向かうヒョンミン。しかし店は閉まったまま、ヨンギュに電話をして家のことを調べてほしいと頼みます。

 

ヨンギュによると、

「あの家は6年前にパク・サンホが建てた

だが直後に除草剤でしんでる

1番目と3番目の子もだ

資料にあるとおり夫人の様子が変で

夫と子どもに保険をかけてた

関連性は不明だが子どもたちは養子だ

とにかく捜査をしても犯罪の証拠が出なかったから

警察は手を引こうとした

その時2番目の子から通報が

でも家には誰もいなかったとか」

「去年若い夫婦が入居したんだが

2人の子をころして心中した

その子どもも養子だ

入居直前のことだけど話はなかった?」

そしてヒョンミンの家のヒウも養子━

不動産業者は事件のことをヒョンミンらに話しておらず、ヨンギュに家から出た方がいいのではないかと言われるも、今は金がないと答えるヒョンミン

 

生肉を食べだしたり、明らかに様子のおかしいミョンヘ

どこで間違ったのかと悩むヒョンミンもやがて倉庫の世界に引き込まれていきます。

 

危機を感じたヒウキム・グジュに電話をかけますが、ミョンヘに見つかってしまいます。除草剤入りのスープを作り、ヒウに飲ませようとするミョンヘヒョンミン

その様子を長男トンウが見ていました。

トンウを部屋に追いやるミョンヘトンウは逃げてきたヒウをかばい、ミョンヘにやめるよう訴えますが、「ジウと遊んでいなさい」と振り払われてしまいます。逃げるヒウ

 

倉庫に逃げ込んだヒウヒョンミンのスマートフォンからヨンギュに助けを求めます。

ヒョンミンに捕まり首を絞められたヒウ

「お母さん」

ミョンヘに助けを求めます。

ふいに我を取り戻し、ヒウを助けたミョンヘでしたが、ヒョンミンに除草剤を飲ませ、自らもそれを口にします。

 

ようやく現れたヨンギュトンウの無事を確認し、ヒウを探します。ヒウを見つけ、安心しろとヒウを抱きしめるヨンギュ

ヨンギュの肩越しのヒウの安心したかのような表情が━

 

 

「事故物件 歪んだ家」感想

 

物語全編通して具体的な説明がなく、視聴者の想像にお任せしますとでもいうようで、私には難解でした。

 

まず、あえてあらすじでは書き込みませんでしたが、冒頭のミョンヘが子供を放り投げるシーン。投げられた子供はジウなんですが、次の場面ではジウが登場するので、「あれ?しんでない?病気のミョンヘの妄想?」となりました。

 

物語が進むうちに、やはりジウはなくなっていたことははっきりするのですが、冒頭のシーンが現実なのかどうか、

「ジウを放り投げてしなせたくせに」

ヒョンミンがつぶやくシーンはありますが、すでにおかしくなっているヒョンミンの言葉なので、事実かどうかがいまいちはっきりしません。

 

また、タイトル通り家そのものが呪われているのか、それともそこで起こった事件が発端でその後の住民が呪われたのか、これもはっきりしませんでした。

 

これは作者の意図だとは思いますが、ミョンヘが引っ越し前から精神を患っているので、引っ越したせい、つまり家の呪いのせいだけでこの事件に繋がったとも言い切れない━精神を患った原因も描かれておらず、ジウを失って心を病んだのかとも思いましたが、ジウを放り投げた冒頭のシーンが現実であるならばジウをなくす前から病んでいたともとれます。

 

ヒウは霊が見えるようでしたが、これも具体的には説明されていないため映画中盤過ぎまでジウの生死がはっきりしない、この辺は映像トリックとも言えますね、うまい作り方だ。

 

一軒家でヒウが見た姉妹の霊についてもよくわかりませんでした。

前の住人で殺された2人の子供たちがヒウに警告し、救おうとした?

前の住人として、養母の霊はミョンヘをそそのかしに出てきましたが、養父は名前すらでてこない。最初に家を建てた男性の妻が保険金殺人の犯人で、次の住人も妻が犯人、だとすればミョンヘたちも妻であるミョンヘが行動を起こすのはわかりますが、ヒョンミンミョンヘと一緒になってヒウを亡き者にしようとした謎が残ります。

 

ヒョンミンにも後ろ暗い何かがあってそこに付け込まれた?

ここで考えられるのが盗作疑惑です。ヒョンミン本人は盗作を否定していますが、ミョンヘの責め方と言い、娘ジウをしなせたミョンヘを刑務所や病院に入れていないのも不自然で、やってるだろう、あんたと言いたくなりました。

 

最大の謎は、倉庫の首つり人形。

時々、足の部分が人形のそれではなく、人間の足のように見えるようになっていて、遺体かと思ったのですが、そうするとヨンギュのいう「犯罪の証拠がなかった」という話と矛盾します。それに、ミョンヘが豹変するきっかけとなった仮面も正体不明。

最後の方でヒウの顔が仮面と同じような白い表情に豹変しますが、ヒウは仮面を被ったんでしょうか、そのような場面は見られませんでした。まさか編集されたとも思えませんし、呪いがミョンヘからヒウに移ったとしたら、そこにも理由が見いだせず、なにもかもすっきりしない。

 

怖い思いをしたというより、考え過ぎで痩せる思いでした。

 

全体的にグロテスクなシーンも韓国サスペンスにしては少なめ、住宅もどことなく欧米風、少女2人組の霊などは「シャイニング」を彷彿させられました。

 

1度観ただけではわからなかったので、2度観てみましたがやはり難解。

幼い「養子」が狙われたという部分にも引っ掛かりました。韓国では保険金目当てで養子が狙われた事件でも実際にあったのでしょうか、そうでなければ養子に失礼です。

 

「事故物件」という日本語タイトルにかなり引き摺られてホラー映画だと思い込んでの視聴でしたが、サイコサスペンス風味、トリックが解明されないミステリーのようでした。

 

伏線回収は必ずしもされなくてもいいけれども、これだけ何一つ解明されないのも珍しいので、記事にしようと思いました。

 

恐怖で震えたい方々にはあまりおススメできません?!

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございます♪

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