カセットテープは青春、「ナゼキニ」ブログ筆者の猫目宝石@nazekiniと申します。
当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます♪
あなたは「ザ・カセットテープ・ミュージック」というテレビ番組をご存知ですか?
私は知りませんでした。
私が「ザ・カセットテープ・ミュージック」を知ったのは、お正月特番をせっせと録画予約していた最中のこと。
番組欄に「カセットテープ」の文字を目端にとらえ、すぐさま録画予約。
観てみたらめちゃめちゃ面白かったので、ブログに書かずにおられませなんだけれども、しかしながらカセットテープそのものは出てきませんでした。え?
- テーマは「あけましておメジャーセブンス(7th)」
- トラック1
- トラック2「きっと言える」荒井由実(1973年)
- 「日本の湿度とメジャーセブンス」
- トラック5「素顔で踊らせて」サザンオールスターズ(1981年)
- トラック6「SUMMER SUSPICION」杉山清貴&オメガトライブ(1983年)
- トラック7「You're My Only Shinin’ Star」中山美穂(1988年)
- トラック8「夏をあきらめて」研ナオコ(1982年)
- 感想
テーマは「あけましておメジャーセブンス(7th)」
メジャーセブンスとは
「〇M7」または「〇△7」と表記されるコードの一種(〇の中はC,D,E,F,G,A,Bのアルファベットのどれかが入ります)
「CM7」とあったら、
C(=ド。ルート音)とE(=ミ。3度)とG(=ソ。5度)の三つの音に、C(=ド)からざっくり数えて7番目(=7th)にあるB(=シ。7度)の音を加えた四和音のことです。
メジャーセブンスがどんどんわかる一時間
ラジオっぽいブースの中で番組MCである、スージー鈴木、マキタスポーツのお二人が、元アイドリング河村唯に向けたオープニングのトーク
「この番組を一時間観るだけでメジャーセブンスが身に付く」(Like a スピードラーニング)
ドミソー、だとクリアな明るいイメージですが、ここにシが加わり、ドミソシー、になると、中間的な音になり、”悲しみを帯びているけれども悲しすぎはしない音”、それがメジャーセブンス。
曰く、日本の楽曲にはなかった音ということで、”日本メジャーセブンス浸透の歴史”と銘打って楽曲紹介が始まります。
トラック1
「あの時君は若かった」スパイダース(1968年)
スージー鈴木曰く、
「派手派手しくメジャーセブンスを使った、日本ポップスのほぼ!最初期の曲」
60年代後半には「日本でもっともHIPな」バンドだった、ザ・スパイダースのかまやつひろしが日本のポップス界で先駆的にメジャーセブンスを使ったとし、そのライバルとして、フォーククルセダーズの加藤和彦=トノヴァンを挙げます。
「オーブル街」フォーククルセダーズ(1968年)
かまやつひろしと並んで、HIPな音楽家だった加藤和彦がメジャーセブンスやディミニッシュ(メジャーセブンスと同じくコードの一種)を取り入れ
「今まで日本人が聴いたことのないような和音を使って、日本の和音の世界の色が変わっていった」(スージー鈴木)
その衝撃は、今まで菜っ葉しか食べたことのないヒトが生クリームを食べさせられた感じ(マキタスポーツ)
トラック2「きっと言える」荒井由実(1973年)
スージー鈴木曰く、かまやつひろし、加藤和彦が60年代の後半くらいから「恐る恐る」メジャーセブンスを弾き始めたのに対し、
「73年に、ある天才少女がその「恐る恐る」っていう感じをぶっ壊した」
として紹介するのが、荒井由実「きっと言える」
デビュー時のユーミンのプロデュースがかまやつひろしだったことを挙げ、メジャーセブンスの歴史はかまやつひろしからユーミンへ。
また転調については、E♭から短三度ずつあがってG♭→A→CいってE♭に戻るという、プログレですよ (スージー鈴木)
日本ポップス史のコード進行・作曲において、ジョン&ポール(ビートルズ)くらいの革命を、
「ユーミンが一人で起こしたと言っても過言ではないですね」(スージー鈴木)
「日本の湿度とメジャーセブンス」
トラック3「初恋」村下孝蔵(1983年)
マキタスポーツが「日本の湿度とメジャーセブンス」として紹介するのが、トラック3、4。まずは、村下孝蔵「初恋」
悲しみと湿度が同じような感覚のものであるとするならば、日本人は悲しみに響きやすい感性が元々あるとし、「初恋」も”自分の初恋はかなわぬものだったけれどもという悔恨”=悲しみがテーマで、日本人に親しみやすい「のど自慢センス」の曲であると談。
それまで日本人の感性に入り込みにくかった、メジャーセブンスを浸透させた「のど自慢メジャーセブンスの先駆(スージー鈴木)」が「初恋」
メジャーセブンスは四和音、7番目の音=四つ目の音を「余分なもの」「なくてもいいものと」、メジャーセブンスは「豊かさの象徴である」(マキタスポーツ)
トラック4「愛はかげろう」雅夢(1980年)
「初恋」と同じく、日本にメジャーセブンスを浸透させた曲として紹介されたのが「愛はかげろう」
「未練進行」(スージー鈴木命名)FM7(=エフメジャーセブンス)→G7→Em7→Am7を基調としたコード進行
メジャーセブンスについて、三和音(=トライアド)を衣食住とするなら、セブンス=四つ目の音は花にあたる、つまり無くても生活できる余分なものだけれども、それがあることによって豊かさがある。(スージー鈴木)
トラック5「素顔で踊らせて」サザンオールスターズ(1981年)
対するスージー鈴木のテーマは「メジャーセブンスの大衆化」
メジャーセブンスが、「東京のシティのポップのおしゃれな和音として定着した」
小田和正、山下達郎、桑田佳祐は「80年代メジャーセブンス三兄弟」(スージー鈴木)
トラック6「SUMMER SUSPICION」杉山清貴&オメガトライブ(1983年)
この楽曲は、林哲司&康珍化という黄金コンビの作品。
はじめに作ったオシャレすぎる楽曲に対し、もっとドメスティックな泣きのメロディを頼むと言われたとして出来上がった曲と解説。
マキタスポーツ曰く、Cメロに当たる部分は「気が変になりそうさ史上最も優れたメジャーセブンス」
〽こんな気持ちじゃ 気が狂いそうさー♪
の、「さー♪」の部分のコードがメジャーセブンス。
トラック7「You're My Only Shinin’ Star」中山美穂(1988年)
いよいよアイドルまでメジャーセブンスの歌をうたうということで、「メジャーセブンスが日本人に完全に浸透する」として紹介されたのが「You're My Only Shinin’ Star」中山美穂
メジャーコードとメジャーセブンスは、蛍光灯と間接照明くらいちがう(マキタスポーツ)
トラック8「夏をあきらめて」研ナオコ(1982年)
マキタスポーツは、研ナオコの歌い方を「 絵の具が切れた筆」と表現。
この曲の作者である桑田佳祐が、輸入ではない、日本の土壌の中に、諸行無常の響きの中に、メジャーセブンを感じてる。そこが他のメジャーセブンの使い手、メジャーセブナーとちょっと違うところ、と語ります。
感想
最初っから最後まで、一人でケタケタ大笑いしておりました。
職業柄(音楽講師)よくわかるということもあったかもしれませんが、おそらくコードのことをご存じない方でも、ホントに一時間観ているだけでメジャーセブンスが身に付いたんじゃないかと。
あと余談ですが、学生時代のアルバイト先に雅夢のメンバーの方が働いていらっしゃったことなんかも思い出したり。
思い出はいつも音楽とともに
この回が「#31」とあったので、だいぶ前から放送されていた番組なんですね、存じませんでしたが、もう毎週録画予約ですよ。
「ザ・カセットテープ・ミュージック」はBS12トゥエルビにて毎月第一、第二日曜よる9:00から放送予定
詳しくは番組ホームページにてご確認ください。
※以上全て敬称略
最後までお読みいただき、
ありがとうございました🍀
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