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カウチポテトな映画ファン、「ナゼキニ」ブログ筆者の猫目宝石@nazekiniと申します。
映画やドラマが好きですが、ホラーは苦手。
なのに、ジム・ジャームッシュ作品ということでウッカリ観てしまった「デッド・ドント・ダイ」がイイ感じだったので、感想を書きます。
よろしくお願い致します。
「デッド・ドント・ダイ」とは
「デッド・ドント・ダイ」とは、2019年にアメリカで公開されたゾンビ・コメディ。
原題は「The Dead Don’t Die」
監督は「ミステリー・トレイン」等でお馴染みのジム・ジャームッシュ。
日本での公開は2020年。
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「デッド・ドント・ダイ」あらすじとキャスト
警察官が3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィルで、前代未聞の怪事件が発生した。無残に内臓を食いちぎられた女性ふたりの変死体がダイナーで発見されたのだ。困惑しながら出動した警察署長クリフ(ビル・マーレイ)と巡査ロニー(アダム・ドライバー)は、レイシストの農夫、森で野宿する世捨て人、雑貨店のホラーオタク青年、葬儀場のミステリアスな女主人らの奇妙な住民が暮らす町をパトロールするうちに、墓地で何かが地中から這い出したような穴ぼこを発見。折しも、センターヴィルでは夜になっても太陽がなかなか沈まず、スマホや時計が壊れ、動物たちが失踪する異常現象が続発していた。
やがてロニーの不吉な予感が的中し、無数の死者たちがむくむくと蘇って、唖然とする地元民に噛みつき始める。銃やナタを手にしたクリフとロニーは「頭を殺れ!」を合言葉に、いくら倒してもわき出てくるゾンビとの激闘に身を投じるが、彼らの行く手にはさらなる衝撃の光景が待ち受けていた……。
ビル・マーレイ(向かって左)とアダム・ドライバー(右端)。真ん中は”ミンディ”役クロエ・セヴィニー
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最初にダイナーに現れた”コーヒー・ゾンビ”(コーヒーゾンビてw)役に、イギー・ポップ
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レイシストの農夫”フランク”役にスティーヴ・ブシェミ
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オタクで雑貨屋さん”ボビー”ケイレブ・ランドリー・ジョーンズと金物店の”ハンク”ダニー・グローヴァ―
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世捨て人で傍観者”ボブ”役にトム・ウェイツ。ゾンビじゃあないですよ、山にこもってて髪とひげが伸び放題なのです。
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最強の女性”ゼルダ・ウィンストン”にティルダ・スウィントン。キルビル?(笑)
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「デッド・ドント・ダイ」ネタバレ感想
先ず思ったのが、とぼけた映画だなということ。
ゾンビコメディというだけあって面白いんですが、大笑いするというのではなく失笑という感じ。
物語の内容としては実はあんまり笑えない。
政府関係者やエネルギー企業トップが、雇用とかエネルギー資源の確保のために行っている極地の水圧破砕工事が、地球の自転に影響を与え、地軸に生じたわずかなずれが日照時間を狂わせている可能性があるとかラジオのニュースで流れたりして、どうもゾンビの発生もその影響?という感じ。
そしてそのゾンビも生前好きだったものに執着しているという設定で、ちょっとブラック。
あ、風刺とか皮肉っていう意味で(本編をご覧になった方ならお分かりいただけたであろうか。ん?)
そんな恐ろしいお話のハズなのに、思わず吹き出してしまう。
その一端を担っているのがテーマソングののほほんさ↓だと思います。
いや、歌詞は死体は死なないとか、死体が歩き回ってるとかでのほほんとはしていませんがw
映画冒頭部分でもこの曲が流れてなんだかのんびりしちゃうので、あれ、これゾンビ映画だったよね?と確かめたくなります(誰に?)
ちなみに、ゾンビが出てくるのは本編開始後28分ごろ。
ゾンビの動きがちょっと早送りっぽいんですが、それでもやっぱり遅いですw
さてこの曲、タイトルからもわかりますが、「デッド・ドント・ダイ」のためにスタージル・シンプソンが書いたものだそう。
レトロなカントリーの雰囲気にすっかり和んだ私、てっきり60年代、70年代の曲かと思ってしまいました(笑)
このスタージル・シンプソンの曲がラジオでかかると、クリフ(ビル・マーレイ)が、聞いた曲だなとか、聞き覚えが、とか言うんですね。
それを受けたロニー(アダム・ドライバー)が
「テーマソングだから」
とさらっと答えます。
こういった、ビル・マーレイとアダム・ドライバーの車の中での淡々としたやりとりも笑いどころの一つ。
2年前に退職を考えたとビル・マーレイが言うと、なぜ退職をやめた?とアダム・ドライバーが返します。
それに対してビル・マーレイが
「アドリブか?」
また、「まずい結末になる」と繰り返し言ってきたロニー(アダム・ドライバー)に対して、まるで予言だ、どうしてまずい結末になると思うんだ?と問いただすクリフ(ビル・マーレイ)、半ばキレ気味。
それに対するロニー(アダム・ドライバー)の答え
「実は……台本を読んだので」
ジム(ジム・ジャームッシュのこと)がくれた、と続けるとビル・マーレイが
「俺には出演シーンだけだ、全部なんてみてない」
どこまでが映画の話でどこまでがホント?(笑)
他にも小ネタみたいなことがちょくちょく(笑)
例えば、直角に曲がるゼルダとか。
ニンテンドー?耳とがり気味だしw
のっぽのアダム・ドライバーがスマートに乗っているところは絵面で笑えてしまう(笑)
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そしてネタバレですが、クリフもロニーも最後にはゾンビに囲まれてしまいます。
その様子を傍観しているトム・ウェイツの語りが入るのですが、マイケル・ジャクソン「スリラー」のヴィンセント・プライスのナレーションが入る辺りのシーンを思い出した私(古💦)
ご参考までに「スリラー」6分30秒あたりからナレーションが入ります。
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ちなみに、語られる内容は以下の通り。
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ゾンビは物質主義の遺物だ
連中は最初からゾンビだった幽霊だ
”無数の人間の名伏しがたき悲惨”
灰は灰に
塵は塵に
死者が死にたくない日だ
蘇ってあのアリのように右往左往
この世の終わりだ
あの幽霊人間どもは魂をなくしてる
金やナニかと引き換えに売っぱらったのさ
新車のトラックや台所用品や新しいズボンや人気のゲームソフト(ここははっきり「ニンテンドーゲームボーイ」と聞こえますw)や何かと
底なしの欲に駆られて
劇中、何度か出てくる「無数の人間の名伏しがたき悲惨」がキニなって検索してみましたら、以下のtweetにたどり着きましたので、引用します。
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「この地球上の空気は、海上であろうと陸上であろうと、それを吐き出して死んでいった無数の人間の名状しがたい悲惨さがかもす瘴気によってひどく汚染されている」(八木敏雄訳)。『デッド・ドント・ダイ』で引用されるのはこの『白鯨』第27章の一部です。まさに今の状況を予告しているかのよう。
— 大久保清朗 Kiyoaki Okubo (@kiyoakiokubo) 2020年4月3日
恥ずかしながら小生、未だ『白鯨』を読まず💦
なのでこのゾンビ映画を拝見してひとつ勉強になりました。
話を映画の感想に戻すと、最後の語り部分などはメッセージ性があって、ジム・ジャームッシュらしからぬ雰囲気とも思うのですが、そもそもゾンビ映画を撮ろうと思ったきっかけが”スマホゾンビ”のアイディアからだったらしいです。
ジム・ジャームッシュはインタビューで
「(前略)なぜゾンビだったかと言えば、今日の人間の在り方がいろいろな意味で、よりゾンビ化してきているんじゃないかと思えたから。自分のことしか考えない、エゴイスティックな生き方だよ。」
と語っておられます。ゾンビというのは、社会的死者という意味で使われることもあるそうですね。ジャームッシュはさらにこう続けています。
「たとえばいまの物質主義、消費社会によって、僕らは地球にダメージを与えているのに、それに気付かない、あるいは関心がない。そういう生き方が僕にはゾンビと共通していると思えてならなかった。」
ところで、このインタヴュー中に劇中”この世界はパーフェクトだ。小さなことにも感謝すべきだ”と言うセリフがあって、”僕はそういう気持ちのあり方がとても美しいと思う。”とジャームッシュが仰られているんですが、WOWOWオンデマンドの字幕では
「この世界は完璧だ
細部まで味わえ」
って出るんですね。
それで聞き耳を立てたんですが、The world is parfect.の後は聞き取れない💦
何て言ってるのか知りたくなりました、ムズムズ。
また、雑貨店のオタク青年ボビーが何度か、
「フロド」
と呼ばれていたのですが、これも意味が解らなかった💦
フロドとは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の登場人物の名前らしく、呼ぶ方は親しげに呼びかけている割に、実はからかってるのかなという感じ。
と言うワケで、苦手なホラー、しかもゾンビなのに、2回も観てしまったというお話。
「デッド・ドント・ダイ」は、WOWOWオンデマンドで2021年9月30日まで配信中です。
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アダム・ドライバーご出演作「ブラック・クランズマン」も拝見しました。
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※以上全て敬称略
最後までお読みいただき、
ありがとうございます🍀
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