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ドラマに原作があると知るとみたくなる、筆者の小幡リアン@nazekiniと申します。
2020年9月にNHKドラマ「すぐ死ぬんだから」を視聴、面白かったので原作本も読みました。今回は本の感想を書きます。
よろしくお願い致します。
『すぐ死ぬんだから』とは
『すぐ死ぬんだから』とは、脚本家としても有名な内館牧子による長編小説作品↓
2017年から2018年にかけて『小説現代』誌上にて連載され、2018年8月に加筆を経て単行本化。
また、くさか里樹により漫画化もされている人気作品です↓
ドラマ「すぐ死ぬんだから」の感想
ドラマ「すぐ死ぬんだから」は、2020年8月からBS4KおよびBSプレミアムで放送されました↓
第1話、第2話と楽しく視聴しておりまして、最後はどうなるのだろうかとワクワクしておりました。
特に、主人公”ハナ”を演じられた三田佳子のかっこよさったら!
78歳(当時)でジーンズを履きこなしている辺りさすがは大女優。
ハナが夫を失ったときの老け加減といい、立ち直った時のギラギラ感といい、もうずっと釘付け。
主要登場人物も全員魅力的で、毎回楽しみでした。
ですが、
ラストは、主人公のハナさんが好い人すぎないか?と、いい話なんだけどなんだか無理矢理まとめられた感。
そこのところは、原作を読んで納得しましたが。
小説『すぐ死ぬんだから』の感想
まず、原作本を読む前によく見かけたインタネット上の感想の通り、
「字が大きくて読みやすい」
と思いました。
文章の方もスルスル読みやすく、先にドラマを観ていたこともあって場面が目に浮かぶようでしたが、
「面白くてすぐに読み終えた」
という多くの感想から期待していたようなことはなかった、というのが正直なところ。
”面白さ”に関して、主人公の毒舌ぶりが痛快という感想を多く目にしましたが、私には、こんなに四六時中他人のことを、それも悪口ばかり思い続けているだろうか、と、甚だギモン。
ドラマのハナは、口は悪いけどお腹にため込まないというようなイメージを受けたのですが、原作本では、身内も他人も見下していて、顔で笑って腹の中では罵ってばかり。
なんて性格の悪いバーさんかと、気分が悪くなりました。
ドラマでの、三田佳子が演じられた主人公”ハナ”のイメージがあればこその読了でした。
人の振り見てなんとやら、自分も気を付けよう。
ドラマと言えば、奇しくも小松政夫の最後のご出演作品ともなった「すぐ死ぬんだから」
訃報はショックでしたが、「すぐ死ぬんだから」が遺作だなんて、どこまで洒落た喜劇役者さんなのだろうとも思いました。
その、小松政夫が演じられた”ロク”ちゃんは、原作本の中ではほとんど出てきませんでした。
ドラマでは、主人公ハナが夫の死のショックから立ち直るきっかけとなるセリフを言ったりして、結構キーパーソンだったのですが。
とは言え、キャラクター設定、ストーリー共、原作と大きな違いはさほどなく、ドラマ「すぐ死ぬんだから」の脚本家さんである長田育恵を
「すごく力のある方」
と原作者の内館牧子が仰られていた意味を実感。そして、内館牧子含め、改めて脚本家さんってすごい。
ドラマ、原作共に理解不能だったのは、主人公ハナが若々しくオシャレであるようになったのは、68歳の時に70代にみられてショックを受け発奮したからだったということ。
え?68でしょ?70代とそう変わらないじゃないと。
それも、親しい人に言われたワケでもなく、立ち寄った服屋の店員に言われただけで、それほどキニするものでしょうか。
これが、51、2歳で70代にみられたとかならピンときたかもしれませんが、違和感アリアリでした。
さて、原作小説『すぐ死ぬんだから』は私の持っていたイメージとは少し違いましたが、これを機に内館牧子の他の小説も読んでみたいな、とも思いました。
ちなみに、タイトルの『すぐ死ぬんだから』とは、高齢者の口癖とされています。
それも、手を抜くことの免罪符、逃げ口上のような意味も含まれています。
「病気をすると、死を身近に感じ(る)」
とは、やはり脚本家さんである大石静が「突然あらわれ突然去った人〜向田邦子の真実〜」 - アナザーストーリーズ 運命の分岐点 - NHKでのインタビューでで仰られていましたが、確かにそうで。
そしてまたすぐに気づくんですよね、若い人でも、健康な人でも、生まれたら死ぬ。そして、それがいつかは誰にもわからない、余命宣告なんてナンセンスだと思うワケです。
私自身、自分よりは周りの死を意識するとき、もっと感謝と思いやりを持って生きたいと強く思います。
思いますが、洗濯物が裏返っていたりするとカチンと来るワケで。
まだまだ修行が足りないなって、あれ?何の話でしたっけ?
※以上全て敬称略
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
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