【2019年10月21日公開2021年10月加筆修正】
当ブログをご覧戴き有難うございます✨
自称映画好き、筆者の小幡リアン@nazekiniと申します。
少し前に「どんでん返しもの」が観たくなって調べていた中に「THE GUILTY」を発見、10月16日にレンタル開始になったので借りに走りました。スタコラサッサ。
本日は「THE GUILTY」の感想です。
よろしくお願いいたします。
「THE GUILTY」とは
「THE GUILTY」とは、2018年に公開されたデンマークのスリラー映画。原題は「DEN SKYLDIGE」(有罪)
日本での公開は2019年2月。
すでにハリウッド・リメイクが決まっている話題作でもあります。
【2021年10月追記】2021年リメイクされました↓
「THE GUILTY」あらすじとキャスト
誘拐事件が発生し、通報を受けた主人公が通話のみで事件を追ってゆくストーリー。
そう、主人公は緊急通報指令室のオペレーター。
ちょうど「ボイス」↓を観たころに知ったこともあり、俄然興味が湧きました。
どんでん返しもの探しで調べた時に、「THE GUILTY」について書いてあった中に
「画面(場面)がほとんど変わらない」
という情報があり、ともすると退屈に感じるかも、みたいなことでした。
が、ストーリーの全てがパソコンの画面上で展開された「SEARCH」を彷彿、ますます興味津々。
サーチについてはこちら。
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登場人物も少なく、画面上に現れる人物は緊急通報指令室のオペレーター数人のみ。
意地の悪い見方をすれば、映画にする必要あった?というくらいwですが、これが映画作品であることが面白いと素直に思える作品でした。
物語の主人公”アスガー・ホルム”(ヤコブ・セーダーグレン)は、緊急通話指令室にかかってくる酔っ払い連中の電話をうまくやり過ごしています。
そんな中、もうすぐ交代という時に入った一本の電話の様子から誘拐事件の発生を察知、交代時間も無視して居残り、事件解決のために手を尽くすアスガー。
誘拐されたのはイーベン(イェシカ・ディナウエ)という女性。彼女とのやり取りの中で、誘拐犯は元夫のミケル(ヨハン・オルセン)らしいことがわかってきます。
イーベンの家には幼い子供たち━6歳のマチルデ(カティンカ・エヴァース=ヤーンセン)と生後数か月のオリバーが置き去りにされ不安がっています。さらにマチルデのとの会話の中で、ミケルがナイフを所持し、イーベンを連れ去ったことが明確になってゆきます。
「ママをたすけてあげて」
さらにミケルには暴行による逮捕歴があることもわかり、正義感に燃えるアスガーは、時には越権ともいえる行為で犯人に追いついてゆきます。
しかし、一連のやり取りの中からアスガー自身にも”罪”があることが明かされてゆき━
予告動画↓
「THE GUILTY」ネタバレ感想
「事件解決のカギは電話の声だけ。88分、試されるのはあなたの〈想像力〉」
という、このキャッチコピーの通りでした。
緊急通話指令室にいる人以外は、ぜーんぶ自分で妄想、じゃない、想像するしかございません。脳みそフル回転で拝見いたしました(笑)
場面がほとんど変わらないのに、ハリウッドのアクション映画を観たくらいの疲労感(え?)
想像しているだけで実際に目にしてはいないのに、まるで観ているかのように頭の中で画面がよみがえる不思議。
いやー、面白い作品でした。
88分という時間もちょうどいいと思いました。
映画としては少し短めですが、先ほども書いたように、脳みそフル回転で観ないとついてゆけないので、それくらいの時間が限界。
実は私、いやあ~見事にどんでん返された、うまいこと作ってあるなあ、と、観終わった直後すぐに2度目の視聴を試みましたが、あえなく寝落ちwそれほどの脳疲労。
この作品一番の見どころである、そのどんでん返しとは、え?犯人その人なの?というストレートなどんでん返しというよりも、自身の中で起こるかのような、意外な方向からのどんでん返しでした。
ここからネタバレしていますので、ご注意ください。
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物語冒頭部分では、緊急通話とは別に主人公アスガーに個人的な電話が入ることで、アスガーは何かをやらかした罰のようなもので緊急通話指令室にいることが察知できます。そして、”明日の法廷”が終われば現場復帰できる予定であり、今日は”電話番”最後の日、しかもあと10分でシフトも終わり交替、という時にこの物語メインの誘拐事件が発生。
前半部分ではアスガーと観ている側(つまり私w)は、アスガーとイーベン、マチルデとの一連のやりとりから、ミケルが息子オリバーを刺し、元妻イーベンを誘拐したと推理します。
しかし、1時間を過ぎた辺りから様相が変わります。
なんとかミケルからイーベンを逃れさせようと考え、凶器になるようなものを探してミケルを殴って逃げろと指示するアスガー。イーベンは車の中でレンガをみつけ、握りしめますが怯えてもいます。彼女を落ち着かせようと声掛けをする中、イーベンが話し始めたのは、オリバーが泣き止まないのはお腹の中には蛇がいたからで、イーベンがオリバーのお腹から蛇を出したら泣き止んだ、ということでした。
つまりオリバーを刺したのはイーベン。
この事実に衝撃を受けた直後、イーベンには精神科の入院歴があることが判明、オリバーが刺されたのを見た元夫のミケルは、イーベンを誘拐したのではなく、精神病院に向かったのだということもわかります。
場面がほとんど変わらないことと、主人公アスガーの、電話相手とのやり取りだけで話が進んできたことの効果が最大限に発揮される部分でもあります。つまり、思い込みからの、大、どんでん返し。
クライマックスでは、ミケルを殴って逃げたイーベンからアスガーに電話が入ります。イーベンはオリバーを殺してしまったことに気づき、陸橋から飛び降りると告げます。イーベンを助けるためにアスガーの口から出た言葉は
「僕は人殺しだ」
何らかの事件を起こした青年を、正当防衛を装い、”人生にウンザリして何かを取り除きたかったから殺した”と告白、冒頭から匂わされていたアスガーのやらかしたことが何か判明し、さらに、アスガーが現場に復帰したいがためにかつての相棒にも口裏合わせを要求していていたこともわかります。これがアスガー自身の罪━。
考えさせられるテーマでしたね~まさにこの「THE GUILTY」というタイトルがぴったりの作品でした。
これを観た日の朝、私、偶々つけていたテレビ(韓流時代劇)から聞こえてきたこんなセリフを耳にしておりました。
「わたくしは、善であるより正義でありたい━」
このセリフを言った少年は、
善だと悪を許すことになるが
正義は悪を罰することができ、
だから正義となって悪を罰したい
と続けます。
そのセリフの出てきた韓流ドラマ「六龍が飛ぶ」↓
ざっくり補足説明いたしますと、いじめ(こんな言葉で表現できないひどい目に遭っていますがby韓流あるある)の果てに命を落とした友人の無念をはらすためにも、いじめの張本人たちに罰を与えたい、と。
で、洗濯物を干しながら、正義とはなんぞや?善とはいかに?と考えさせられちゃったワケで。
そんなことからの「THE GUILTY」、何このタイミング?(いや、訊かれても)
音楽がほとんど無かったことも効果絶大でしたね~
サントラ好きの私としてはちょっと残念ですが(笑)音のないことが最大の音響効果となっていることも特筆すべき点でしょう。
デンマーク語なので、私は聞き取れる言葉が殆どないってところもスリリングでした。やるなあマークマーク、デンマーク♪
脚本監督は、グスタフ・モーラーって、マーラーと一字違い?(カタカナではねw)
私の一番好きな映画が「ベニスに死す」だったもんで、つい。
そして何より主人公アスガー役の俳優さん、ヤコブ・セーダーグレンの表情が素晴らしかった!
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ところで。
実はこの記事の公開当時、私自身がネタバレがイヤだったこともあり、ネタバレ無しで感想を挙げていたのですが、なんと肝心のどんでん返し部分を忘れてしまったというボケた事態が発生(発生?)、改めてネタバレ感想を書きました、とほほ。
これが私のギルティ?!
※以上全て敬称略
最後までお読みいただき、
ありがとうございます🍀
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